歯周病と肺炎に関係性はあるのでしょうか。この記事では以下の内容を中心に解説していきます。
- 誤嚥性肺炎について
- 歯周病と誤嚥性肺炎の関係
- 誤嚥性肺炎の治療法
歯周病と肺炎の関係や誤嚥性肺炎について気になる方はぜひ最後までお読みください。
誤嚥性肺炎とは
誤嚥性肺炎は、飲食物や唾液などが誤って気管や肺に入り込むことで発生する肺炎の一種です。特に高齢者や脳血管障害、神経難病などで嚥下機能が低下した人に多く見られます。誤嚥性肺炎の一因として、口腔内の清潔さが重要となります。口腔内が不潔な状態では、飲食物や唾液と一緒に口腔内の細菌が気管や肺に入り込み、感染症を引き起こす可能性があります。そのため、口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防において重要な役割を果たします。
歯周病と誤嚥性肺炎の関係
歯周病と誤嚥性肺炎は密接な関係があります。歯周病は口腔内の細菌が増殖し、歯周ポケットに蓄積することで発生します。これらの細菌は、飲食物や唾液と一緒に誤って気管や肺に入り込むことで、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。特に高齢者や嚥下機能が低下した人にとって、口腔内の清潔さは誤嚥性肺炎の予防に重要となります。したがって、日常的な口腔ケアと定期的な歯科検診により、歯周病を予防し、誤嚥性肺炎のリスクを低減することが可能です。
誤嚥性肺炎の症状
誤嚥性肺炎になるとどのような症状があるのでしょうか。以下から解説していきます。
食欲不振
誤嚥性肺炎の初期症状の一つとして、食欲不振があります。体が異常にだるく、何となく元気がない状態が続く場合、注意が必要です。
痰が絡むような咳が出る
誤嚥性肺炎では、痰が絡むような咳が出ることがあります。これは、食べ物や唾液などが誤って気道に入り込むことで、肺に細菌やウイルスが侵入し、感染症が発生するためです。
食事の後にがらがら声になる
食事の後に声ががらがらとなるのも誤嚥性肺炎の兆候の一つです。これは、食べ物や飲み物が気管に入り込むことで声帯が刺激され、声の質が変わるためです。
微熱が続く
誤嚥性肺炎では、高熱が出ることは少なく、むしろ微熱が続くことが多いです。体温が通常よりも高い状態が続く場合、誤嚥性肺炎の可能性があります。
誤嚥性肺炎になる原因
ここでは誤嚥性肺炎になる原因を解説します。
食事中に誤って気管に入る
誤嚥性肺炎の主な原因の一つは、食事中に食べ物や飲み物が誤って気管に入ることです。特に高齢者や嚥下機能が低下した人は、食事中に飲食物が気道に入り込むリスクが高くなります。これにより、気管や肺に細菌が侵入し、感染症を引き起こす可能性があります。
睡眠中に細菌を含んだ唾液を飲み込んでしまう
また、睡眠中に口腔内の細菌を含んだ唾液を誤って飲み込むことも誤嚥性肺炎の原因となります。口腔内が不潔な状態では、唾液と一緒に口腔内の細菌が気管や肺に入り込み、感染症を引き起こす可能性があります。そのため、日常的な口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防に重要となります。
誤嚥性肺炎を引き起こす歯周病原因菌
誤嚥性肺炎を引き起こす歯周病原因菌が存在します。以下から紹介していきます。
アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス
アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンスは、歯周病の主要な原因菌の一つであり、誤嚥性肺炎の発症にも関与します。この細菌は、口腔内の環境が不衛生になると増殖し、唾液と一緒に気道に入り込む可能性があります。
プロフィロモナス・ジンジバーリス
プロフィロモナス・ジンジバーリスもまた、歯周病を引き起こす主要な細菌であり、誤嚥性肺炎の原因となる可能性があります。この細菌は、歯周ポケットに蓄積し、炎症を引き起こすことで知られています。
タンネレラ・フォーサイセンシス
タンネレラ・フォーサイセンシスは、歯周病の進行に関与する細菌であり、誤嚥性肺炎の発症にも影響を与えます。この細菌は、口腔内の環境が不衛生になると増殖し、唾液と一緒に気道に入り込む可能性があります。
トレポネーマ・デンティコーラ
トレポネーマ・デンティコーラは、歯周病の進行に関与する細菌であり、誤嚥性肺炎の原因となる可能性があります。この細菌は、口腔内の環境が不衛生になると増殖し、唾液と一緒に気道に入り込む可能性があります。
プレボテラ・インターメディア
プレボテラ・インターメディアは、歯周病の進行に関与する細菌であり、誤嚥性肺炎の原因となる可能性があります。この細菌は、口腔内の環境が不衛生になると増殖し、唾液と一緒に気道に入り込む可能性があります。
誤嚥性肺炎にならないための予防法
ここでは誤嚥性肺炎にならないための予防法を紹介していきます。
口の中を清潔にする
口腔内は細菌の繁殖に適した環境であり、その中には誤嚥性肺炎を引き起こす可能性のある細菌も存在します。そのため、口の中を清潔に保つことは誤嚥性肺炎の予防に非常に重要です。食事の前後に口腔ケアを行うことで、細菌の繁殖を抑え、誤嚥性肺炎のリスクを低減することができます。
食後にすぐ横にならない
食後すぐに横になると、胃の中のものが逆流しやすくなります。これにより、食物や胃液が気管に入り込み、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。食後は少なくとも2時間は上体を起こした状態を保つことが推奨されています。
免疫力をあげる
免疫力が低下すると、体は細菌やウイルスに対抗する力を失い、誤嚥性肺炎を含むさまざまな病気にかかりやすくなります。規則正しい生活を送り、栄養バランスの良い食事を摂ることで、免疫力を維持・向上させることができます。特に、タンパク質が豊富な食品(肉、魚、大豆など)を摂取することは、免疫力を高めるのに役立ちます。
誤嚥性肺炎の治療法
最後に誤嚥性肺炎の治療法について解説します。
薬物療法
誤嚥性肺炎の主な治療法は抗菌薬を用いた薬物療法です。しかし、抗菌薬は肺炎自体に効果がありますが、誤嚥を防ぐ効果はありません。したがって、治療後に再び誤嚥を起こすと、繰り返し発症する可能性があります。
ストレッチ
嚥下を行いやすくするためのストレッチが有効です。これにより、食物や液体が誤って気道に入るのを防ぐことができます。
口腔ケア
口腔ケアは誤嚥性肺炎の治療において重要な要素です。口腔内が清潔でないと、肺炎の原因となる細菌が増殖し、誤嚥性肺炎の発症リスクが高まります。したがって、日常的な口腔ケア、特に歯磨きは、誤嚥性肺炎の予防と治療に不可欠です。
まとめ
ここまで歯周病と肺炎の関係について解説してきました。内容をまとめると以下の通りです。
- 誤嚥性肺炎とは飲食物や唾液などが誤って気管や肺に入り込むことで発生する肺炎の一種
- 歯周病の原因の細菌が誤嚥性肺炎を引き起こす可能性がある
- 誤嚥性肺炎の治療には薬物療法やストレッチがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。