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歯周病は進行する?ステージごとの症状や治療法について徹底解説!

歯周病 のステージ毎の症状や治療方法

歯周病が進行するのか知っていますか?本記事では、歯周病のステージごとの症状や治療法について以下の点を中心にご紹介します。

  • そもそも歯周病ってどんな病気?
  • 歯周病のステージについて
  • 歯周病を進行させないために

歯周病のステージについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

そもそも歯周病ってどんな病気?

そもそも歯周病ってどんな病気?

歯周病のメカニズムを教えてください。
歯周病のメカニズムは、歯と歯肉の周囲に蓄積した細菌が主要な原因です。歯周組織は歯肉、歯槽骨、セメント質、歯根膜の4つの部分から成り立っています。歯周病は、プラークと呼ばれる細菌の集合体が歯と歯肉の境目や歯根の表面に付着し、歯石として硬化する過程から始まります。 プラークは普段の歯磨きだけでは完全に落とすことが難しく、時間の経過とともに歯石へと変化します。歯石はさらなる細菌の付着を促進し、毒素を放出します。これにより歯肉が炎症を起こし、歯茎が腫れたり出血したりするようになります。 長期間続く炎症によって、歯周組織は徐々に破壊されます。歯槽骨やセメント質、歯根膜の損傷が進行し、歯を支える組織が衰えて歯がぐらつくようになります。最終的には、歯周病が進行すると歯が失われます。 特に危険なのは、初期の段階では症状がわかりにくく、進行してしまうことです。歯周病は、日本の成人の多くが罹患している深刻な病気であり、歯の喪失の主要な原因となっています。
どうして歯周病になるのでしょうか?
歯周病の主な原因は、お口の中に存在する細菌によるものです。歯周病の進行は以下のようなプロセスで起こります。
歯垢の形成: 歯に付着した細菌が食物の残渣や唾液中の物質と結合して歯垢となります。これはブラッシングだけでは完全に取り除くことが難しく、口内環境が整っていない場合に蓄積します。
細菌による炎症: 歯垢中の細菌が増殖すると、口腔内に炎症が発生します。これにより歯肉が腫れ、赤くなり、歯磨きや食事の際に出血することがあります。この段階を歯肉炎と呼びます。
歯周組織の損傷: 炎症が長期間続くと、歯垢中の細菌が歯肉からさらに深く入り込んで、歯周組織を攻撃します。歯槽骨やセメント質、歯根膜が破壊され、歯を支える組織が弱まり、歯がぐらつくようになります。 歯石の形成: 時間が経つと歯垢は硬化し、歯石となって歯の表面にしっかりと固着します。歯石は単にブラッシングするだけでは除去が困難で、さらに多くの細菌が集まります。
細菌の毒素: 歯石の中や周りに入り込んだ細菌は、歯周組織を攻撃する毒素を出し続けます。これにより炎症が慢性化し、歯周病が進行していきます。
歯周病は個人の口内環境や生活習慣によってリスクが増加します。適切な歯磨きや定期的な歯科検診、健康的な食生活を維持することが重要です。また、喫煙や糖尿病などのリスクファクターに注意することも、歯周病予防に役立ちます。

歯周病のステージについて

歯周病のステージについて

歯周病のステージはいくつありますか?
歯周病の進行度は、「歯肉炎」「軽度歯周病」「中等度歯周病」「重度歯周病」の大きく4つのステージに分類されます。「歯肉炎」と「軽度歯周病」の段階では骨へのダメージは少ないとされています。歯科医院で早めに治療することで、進行を食い止められます。 「軽度歯周病」までの段階では、ブラッシングや歯科医院での歯石除去によって歯肉の炎症が収まり、健康な歯肉に回復することが可能です。治療は数週間で回復する場合もありますので、早めの通院とケアが重要です。 一方、「中等度歯周病」「重度歯周病」のステージはかなり危険です。骨への損傷が進行しており、歯の保存が難しいケースもあります。治療期間は長くなり、中度では出血や膿が発生し、歯周ポケット内の歯石を除去するために治療が必要です。また、重度では歯のぐらつきが進み、抜け落ちる可能性が高まります。
歯周病のステージごとの症状を教えてください。
歯周病のステージごとの症状は以下の通りです。
歯肉炎:歯肉が腫れ、赤くなり、触れると出血することがありますが、骨には損傷がありません。
軽度歯周病:歯周ポケットができ、歯肉の腫れや出血が続く可能性がありますが、骨の損傷は軽微です。 中等度歯周病:歯周ポケットが深くなり、歯石が増加して歯肉の炎症が進行します。骨に対する損傷が進み、歯がぐらつくことがあります。
重度歯周病:歯周ポケットが更に深くなり、歯がぐらつき、最悪の場合は抜け落ちることもあります。骨の吸収が進み、外科処置が必要なケースもあります。
早期の段階で歯周病を発見し、適切な治療をすることが重要です。
歯周病はどのくらいのスピードで進行しますか?
歯周病の進行速度は個人によって異なりますが、一般的に歯肉炎から歯周炎が進行し、歯が抜けるまでには通常15〜30年ほどかかるとされています。これは慢性歯周炎と呼ばれるタイプです。 ただし、2〜10年ほどで急速に進行する侵襲性歯周炎もあります。個々の状態や生活習慣によって進行のスピードが異なるため、早期に歯科医院での診断と適切な治療が重要です。予防と定期的な口腔ケアが歯周病の進行を遅らせる手段となります。
歯周病のステージごとの治療法を教えてください。
歯周病の進行に応じて治療法は以下のようになります。
・歯肉炎
ブラッシング指導:適切な歯磨き方法を指導し、歯周炎の進行を抑えます。
スケーリング:歯石を取り除き、歯肉の炎症を改善します。
・軽度歯周病
ブラッシング指導:適切な歯磨き方法を学び、炎症の改善を促します。
スケーリング:歯石の除去により歯茎を引き締めます。
スケーリング・ルートプレーニング(SRP):歯周ポケット内の歯垢や歯石を丁寧に取り除きます。
・中等度歯周病
ブラッシング指導:適切な歯磨きを継続し、歯周炎の進行を食い止めます。
スケーリング:歯石の除去により炎症を緩和します。
SRP:歯周ポケット内の歯垢や歯石を丁寧に取り除き、骨の破壊を防ぎます。
・重度歯周病
ブラッシング指導:継続的な歯磨きの指導で口腔衛生を改善します。
スケーリング:歯石を取り除き、歯茎の炎症を緩和します。
SRP:歯周ポケット内の歯垢や歯石を丁寧に取り除き、骨の破壊を抑えます。
歯周外科:歯周ポケットが深くなった場合、歯肉を切除して浅くし、清掃しやすくします。
抜歯:重度の場合、抜歯が必要なこともあります。
歯周病は進行性の病気であるため、早期発見と適切な治療が重要です。歯科医師と協力して口腔ケアをし、歯周病の進行を防ぎましょう。

歯周病を進行させないために

歯周病を進行させないために

歯周病の進行度はセルフチェックできますか?
歯周病の進行度をセルフチェックすることは難しいですが、早期の症状には気づけます。歯茎の腫れや出血、口臭、歯のぐらつきなどが見られたら歯科医を受診しましょう。定期的な歯科検診と適切な口腔ケアで進行を抑えることが重要です。
歯周病を進行させないために自宅でできることはありますか?
歯周病を進行させないために自宅でできることはいくつかあります。
毎日の歯磨きを丁寧に行う:歯磨きを隅々まで丁寧に行い、歯垢や汚れを取り除くことが重要です。歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯茎の間もしっかりと清掃しましょう。
糖分を控える:糖分を摂り過ぎないように心掛けましょう。糖分は虫歯だけでなく、歯周病の原因にもなります。バランスの取れた食事を心がけましょう。
タバコを吸わない:喫煙は歯周病のリスクを高めることが知られています。タバコを吸っている場合は、できるだけ禁煙を検討しましょう。
口呼吸をやめる:口呼吸は口の中を乾燥させ、細菌感染を促進します。鼻呼吸を心掛けることで口の乾燥を防ぎましょう。
これらの予防策を実践することで、歯周病の進行を抑制できます。また、定期的な歯科検診と歯科医師のアドバイスを受けることも大切です。早期発見と適切なケアが歯周病の進行を防ぐカギです。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで歯周病のステージについてお伝えしてきました。歯周病のステージごとの症状や治療法についての要点をまとめると以下の通りです。

  • 歯周病は、歯と歯肉の周囲に蓄積した細菌が主要な原因でプラークが歯と歯肉の境目や歯根の表面に付着し、歯石として硬化する過程から始まる
  • 歯周病は「歯肉炎」「軽度歯周病」「中等度歯周病」「重度歯周病」の4つのステージに分類される
  • 歯周病を予防するためには、毎日の歯磨きを丁寧に行うことが一番重要

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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