注目のトピック

日本歯周病学会専門医・認定医のブログ

歯周病菌は鉄分を好む?歯周病の症状や予防法や歯周病菌を減らす方法を解説!

歯周病 鉄分

歯周病と鉄分の関係をご存じですか?本記事では歯周病と鉄分の関係について以下の点を中心にご紹介します。

  • 歯周病菌について
  • 歯周病菌が好む鉄分について
  • 歯周病の症状と歯周病菌を減らす方法

歯周病と鉄分の関係について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

そもそも歯周病菌とは?

そもそも歯周病菌とは?

歯周病を引き起こす細菌の総称を歯周病菌と呼びます。特に「P.ジンジバリス」という菌が歯周病の発症リスクを高めます。歯周病菌は血液中の鉄分とたんぱく質を好み、歯周病が進行すると全身を巡り、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。

歯周病菌がもたらす影響

歯周病菌がもたらす影響

歯周病菌は毒素を放出し、これが歯周組織にダメージを与え、さらには全身の健康にも影響を及ぼします。症状が進行すると最終的には歯を失う可能性があり、軽度から重度までの症状が観察されます。早期発見と適切な治療が重要であり、日々の口腔ケアが予防に繋がります。

歯周病菌が好むもの

歯周病菌が好むもの

歯周病菌が好む鉄分とたんぱく質について詳しくみていきましょう。

鉄分

歯周病が進行すると歯茎から出血し、その血液中の鉄分が歯周病菌の増殖を助長します。歯周病菌は血管の中に入り込むと、血流に乗って全身を巡り、悪さを続けます。血管内の血液には、歯周病の好きな鉄分とたんぱく質がふんだんにあるため、歯周病菌は血流に乗って様々な臓器へと運ばれます。その結果、インスリンの働きを阻害して糖尿病を引き起こしたり、早産・低体重児出産・肥満・血管の動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)を引き起こしたりする原因の一つにもなっています。また、誤飲した時に歯周病菌が気管支から肺に入ってしまうこともあり、誤嚥性肺炎を引き起こす原因にもなっています。さらに、最近では、P.g菌という歯周病菌のもつジンジパインというタンパク質分解酵素が、アルツハイマー病を悪化させる可能性があるという研究結果もあります。

たんぱく質

歯周病菌は血液中のたんぱく質を好み、これが歯周病菌の増殖を助けます。歯周病が進行すると、歯周病菌は血管の中に入り込み、全身を巡り、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。

歯周病の症状

歯周病の症状

歯周病の症状にはどのようなものがあるのでしょうか。

歯茎が腫れている

歯周病の初期症状の一つが歯茎の腫れです。これは歯肉炎と呼ばれる状態で、歯周病菌による炎症反応が起こっている証拠です。通常、健康な歯茎はピンク色で引き締まっていますが、歯周病になると歯茎が赤く腫れぼったくなります。この炎症反応が歯周病を進行させ、歯を溶かす入り口となります。

歯茎から出血する

歯周病の症状の一つに、ブラッシング時に歯茎から出血する場合があります。これは歯周病原菌が血液中の鉄分を栄養源として増殖し、歯周病を進行させるためです。この出血が原因で歯周病が進行するため、単なる強いブラッシングだと思わずに、歯科医院へ行くことが重要です。

口の中がねばねばする

朝起きたときに口の中がねばねばする感覚は、歯周病の症状の一つです。これは、「歯肉溝浸出液」と呼ばれる液体が歯周病に罹患している部分から出ているためです。また、歯周病に罹患している場合はプラーク(細菌の塊)が付着しており、これが唾液中に溶け込むと粘度の高い唾液になります。

口臭がある

歯周病に罹患すると、口臭がひどくなる場合があります。これは、歯周病によって炎症が起こり続けることで、膿が溜まるためです。また、歯周病原菌のP. gingivalisは強烈な臭いを発生させるため、これが原因で口臭がひどくなる可能性があります。

歯がぐらつく

歯がぐらつくという症状がある場合、歯を支える骨の大部分が溶かされてしまったことで自立するのが困難な状態になっています。歯のぐらつきが大きい場合、食事が困難になったり、痛みを感じたりするようになります。最悪の場合は歯が抜け落ちてしまうこともあります。このような状況では、早急な検査・治療が求められます。

歯周病菌を減らす方法

歯周病菌を減らす方法

歯周病菌を減らすためにはどのような工夫ができるのでしょうか。

プラークを毎日取り除く

プラークは口内の菌の塊で、善玉菌も悪玉菌も含まれています。特に、歯周病の原因菌となる悪玉菌がプラーク内に常に存在します。プラークは日々生まれるものなので、これを毎日しっかりと取り除くことが重要です。毎日のブラッシングは、自分でできる予防であると言えます。

歯石を除去する

プラークが固形化したものが歯石です。歯石の表面は軽石のようになっており、酸素を嫌う歯周病菌が増殖しやすくなります。定期的に、歯科医にスケーリング(歯石の除去)をしてもらい、歯石をそのままにしないことが大切です。

ディープスケーリングを受ける

歯石は歯の表面だけでなく、歯周ポケットを通じて、歯と歯茎の間に生じることもあります。超音波振動や細い器具を使ったディープスケーリングという歯石の除去処置は、歯周ポケットが4ミリ以内の深さであれば、対応可能です。歯周ポケット内の5ミリ以上の深さに歯石がある場合には、歯茎を切開して、歯石を取り除く歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうはじゅつ)が必要となる場合があります。

まとめ

まとめ

ここまで歯周病と鉄分の関係についてお伝えしてきました。歯周病と鉄分の関係についての要点をまとめると以下の通りです。

  • 歯周病を引き起こす細菌の総称を歯周病菌といい、歯周病が進行すると歯周病菌が全身を巡り、様々な健康問題を引き起こす。
  • 歯周病菌は鉄分とたんぱく質を好み、血流中の鉄分とたんぱく質を利用して全身を巡り悪さをする。
  • 歯周病菌を減らすためには、プラークや歯石を除去するディープスケーリングが推奨される。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

RELATED

PAGE TOP