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日本歯周病学会専門医・認定医のブログ

根管治療で膿を出す方法とは?治療方法や期間などについて解説!

むし歯の状態が悪いと、歯の根の中や歯茎に膿がたまってしまいます。膿というのは、細菌や白血球の死骸であり、たくさんたまることで有害な作用をもたらすことから、適切な方法で出した方が良いといえます。

ここではそんな膿を出すために行う根管治療の方法や期間などについて詳しく解説します。歯茎の膿の症状に悩まされている方は参考にしてみてください。

根管治療で膿を出す方法について

まずは、根管治療で膿を出す方法について、基本から解説します。

膿は自然に治りますか?
根管内で増殖した細菌が原因で生じている膿は、基本的に自然治癒することはありません。体調の良し悪しによって、症状に変化が見られることはありますが、根本的な原因を取り除かない限り、完治することはないでしょう。つまり、感染源となっている根管内の増殖した細菌を大幅に減らさなければ、歯茎の膿の塊も延々と生じ続けることになるのです。
膿はどのように治療しますか?
むし歯が原因の歯茎の膿は、重症度によって治療の方法が変わってきます。
・溜まっている膿が軽度の場合
溜まっている膿が軽度の場合は、根管内の状態もそれほど悪くはありません。通常の根管治療を行うことで、膿の症状も改善されていきます。ただし、その状態を放置していると重症度が高くなって治療をするのが難しくなるため、軽視するのは良くありません。できるだけ早く歯科を受診して、根管治療を始めましょう。ちなみに、根管治療というのは、歯の根の中にある根管内の細菌を減少させる処置です。1本の歯にも根管は複数あり、とても細くて暗いため、軽症であったとしてもそれなりの期間を要します。・溜まっている膿が重度で多い場合
溜まっている膿が重度でその量も多い場合は、根管内の状態もかなり悪いことが予想されます。通常の根管治療を行っただけでは症状の改善が見られないかもしれません。そうしたケースでは、歯の根の先を切除する歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)を始めとした外科処置が必要となります。それでも改善が難しい場合は、抜歯する他なくなります。とくに歯根が割れていることで膿がたくさん出ているケースは、歯の保存が難しくなるため要注意です。

根管治療で膿を出す治療の期間について

根管治療にかかる期間や回数はどのくらいですか?
歯の状態や歯科医院の方針や先生の判断によって、個人差があります。治療期間は通院頻度にもよりますが、1~3ヶ月。治療回数にすると、2~8回ほどの通院が必要になります。当然、溜まっている膿が軽度であれば治療期間・回数は短くなりますし、重度であれば長引きます。いずれにしても一般的なむし歯治療よりは長い期間を要することでしょう。
どのような理由で治療期間や回数が変わりますか?
根本治療の期間や回数は、保険診療と自費診療で大きく変わります。保険の場合は、1回の診療にかけられる時間や行える処置が決まっているため、自ずと治療期間も長くなります。自費診療ではそうした制約がないことから、比較的短い期間で根管治療を完結できます。むし歯の重症度によっても根管治療の期間と回数は変わります。重症度の高い症例では、根管治療に半年以上の期間を要することもあります。そのため根管治療は、軽度の段階から始めるに越したことはないのです。また、根管の数にも左右されます。根管が1本の歯もあれば、4本の歯もあります。ストレートで単純な構造の根管もありますが、副根管など枝分かれした根管や曲がりくねった複雑な根管は、根管内の清掃が困難になり、治療時間が長くなります。

根管治療で膿を出すと痛みが出る理由について

根管治療では、もうすでに歯の神経がないにも関わらず、膿を出す処置に伴って痛みが生じることも珍しくありません。その点に疑問を感じている方が多いようですね。

根管治療で膿を出すと痛みが出るのはなぜですか?
根管治療をしたことで細菌や病変が取り除かれ、残っている膿を外に出そうとする免疫反応が活発になることから、ズキズキした痛みが起こります。 一週間ほどで痛みは治りますが、痛みが気になる場合は処方されている痛み止めを飲みましょう。 また、根管治療では、いろいろな器具で根管壁を削ったり、消毒薬による化学的刺激が加わったりすることで、歯の周りの組織にも大きな負担がかかります。その結果として強い痛みが生じる場合もあるのです。

根管治療で膿を出しても痛みが治らない場合について

根管治療で膿を出しても痛みが治まらない場合はどうすればいいですか?
根管治療で膿を出した後、1週間は免疫反応のため痛みが続くことがあります。この痛みに関しては、少し頑張って様子を見ていきましょう。1週間以上痛みが治らない場合や眠れないほど痛みが続く場合は、すぐに歯科医院を受診してください。本来の症状とは異なる痛みが出ている可能性があります。精密に検査してもらった上で、適切な処置を受けましょう。根管治療で膿を出しても痛みが治らない原因は、細菌および汚染物質の取り残しが第一に考えられます。そうした感染源が残存している限り、痛みが消えないどころか、再び膿がたまっていくことでしょう。その他の原因としては、歯根破折や重度の歯周病などが挙げられます。歯根破折は文字通り歯の根っこが折れた状態であり、通常の根管治療を行っても症状は改善しません。折れた歯根だけを外科的に切除したり、歯そのものを抜き取ったりすることで完治が見込めます。

重度の歯周病は、根管内の病変とは無関係なこともあります。その場合は、いくら根管治療を行っても膿の排出や痛みの症状は消えません。重症化した歯周病の治療を行わない限り、完治は見込めないことでしょう。重症化した歯周病に対しても、外科処置が必須となりやすいです。対処が遅れると、歯周病の場合も歯を抜かざるを得なくなるため、異常に気づいたらできるだけ早く歯科医院で診察を受けるようにしてください。

すぐに歯科医院を受診できないときの応急処置はありますか?
根管治療で膿を出した後の痛みに関して、皆さんが最も知りたいのは応急処置の方法ですよね。痛みに苦しめられている時にそれを緩和する方法があれば、すぐにでも試したいものです。ここではそんな時の応用処置として、誰もが行える方法を2つご紹介します。
・患部を冷やす
根管治療後の痛みの多くは、炎症反応が背景にあります。歯茎が腫れたり、膿が排出されたりするのも免疫細胞が細菌と戦っている証拠であり、そこには必ずといって良いほど炎症反応が起こっています。その炎症反応を抑えるために、患部を冷やすのは有効な方法です。ただし、膿が出ている部分を直接的に冷やすことはやめてください。患部の血流が悪くなってより深刻な症状を引き起こすリスクが生じます。ですから、根管治療後の痛みの緩和を目的として患部を冷やす場合は、顎に濡れたタオルを当てる程度にとどめることが大切です。・痛み止めを飲む
根管治療後の痛みの応急処置として、最も大きな効果が期待できる方法は、痛み止めを飲むことです。バファリンやロキソニンといった市販の痛み止めには、鎮痛効果だけでなく、炎症を抑える作用も期待できます。もちろん、歯科医院で処方されている痛み止めがあれば、そちらを優先して服用してください。痛み止めもあくまで応急処置であり、症状を永続的に緩和するものではありませんので、必ず歯科医院での診察を受けるようにしてください。痛み止めには副作用も伴うことから、長期間、常用するのは良くありません。どうしても痛みを我慢できない時や本当に辛い時だけ服用するようにしましょう。

編集部まとめ

このように、歯茎に溜まった膿は、根管治療で出すことが可能です。根管治療は、1~3ヵ月程度かかるのが一般的であり、通院回数もそれなりに多くなります。そのため途中で治療をやめてしまう人もいらっしゃいますが、根管内の細菌や汚れをきれいに取り除かない限り、膿の排出や痛みの症状は完治できませんのでご注意ください。本文でも述べたように、歯茎に膿が溜まった症状が重症化すると、歯を保存することさえ困難となります。歯は再生することのない組織であり、保存することがあなたにとっての何よりもメリットとなることを知っておいてください。

参考文献

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