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歯周病は見た目でわかる?自分でチェックするポイントや悪化を予防する方法を解説!

歯周病は見た目でわかる?

歯周病は、口腔内の歯周病菌に感染することで、歯茎に炎症が起きたり、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。そして、歯周病は、初期の段階では症状があまり自覚症状がなく、進行するにつれて色々な症状が現れ始めます。そのため、できるだけ早い段階で歯周病に気づくことが、症状を悪化させずに早期に治療するために大切です。

歯周病は見た目でわかる?

歯周病は見た目でわかる?

歯周病とは

歯周病とは、お口の中に潜む細菌(歯周病菌)に感染することで、歯茎が炎症を起こす病気です。初期の段階では症状があまり現れず、歯周病が進行するにつれて、赤みや腫れの症状が出たり、歯を支えている骨が溶けてしまうといった症状が現れます。

歯周病をチェックするポイント

歯周病を見た目でチェックするポイントには、下記のような点が挙げられます。

・歯肉がピンクではなく赤色で腫れている
歯肉が腫れて赤く変色してしまい、触ると痛みを感じたり、ブヨブヨとした感触がある場合は、歯周病を疑うべきでしょう。また、喫煙している場合は、歯肉の腫れが抑えられ、この歯肉の変化に気づきにくくなることもあります。

・歯磨きをしたときに歯肉から血が出る
歯磨きや固いものを食事した際に、歯肉から出血が見られる場合も歯周病にかかっている可能性があります。歯磨きでは、歯ブラシの刺激で歯肉が傷ついて出血することもありますが、歯肉から出血した場合は念のため歯周病を疑う方が良いでしょう。

・歯茎が下がって歯と歯の間に隙間ができた
歯肉が退縮し、それによって歯茎が下がってしまい、歯と歯の根本あたりに隙間ができている場合も歯周病にかかっている可能性があります。

・歯が長くなったように見える
歯肉の高さが下がり、歯が長くなったように見えている場合は歯周病を疑うべきでしょう。歯周病が進行することで、歯肉が退縮し、それによって歯肉の高さが下がり、元々は歯肉で覆われていたはずの歯の根の部分が露出してしまいます。本来は歯肉で隠れていた歯の根の部分が見えることで、歯が長くなったように見えます。

・歯がグラグラしている
歯を支える骨が溶けてしまい、歯が不安定な状態になり、グラグラと動揺している場合も歯周病にかかっている可能性が高いです。舌や指で触れると歯がグラつくため、歯周病の症状としてはわかりやすいです。

・歯が移動して歯並びが変わったように感じる
気づかない内に前歯の1本だけが前に突き出ていたり、全体的に歯並びが出っ張っているなど、歯が移動して歯並びが変わったように感じたときは、歯周病を疑うべきでしょう。歯が移動したと感じたときは、自分で元の位置に戻そうとせず、歯科医院で診察してもらい、治療を受けましょう。

歯周病は見た目以外でわかる?

歯周病は見た目以外でわかる?

歯周病を見た目でチェックするポイントについてはわかりました。それでは、見た目以外で歯周病をチェックするポイントにはどのようなものがあるでしょうか。

歯周病を見た目以外でチェックするポイント

歯周病を見た目以外でチェックするポイントには、下記のような点が挙げられます。

・口臭があると人から指摘された
口臭の原因や強さは様々なものがありますが、歯周病が原因の口臭は、特に臭いが強いと言われています。一般的な口臭は歯と歯の間に食べかすが溜まったり、むし歯の部分に溜まった食べ物のカスが腐ったりすることで生じますが、歯周病で口臭がある場合は、歯と歯肉の境目に付着した歯周病菌が歯の根の先の方に侵入していってしまい、歯の根の先の部分は空気が届いていないために菌が繁殖することで独特の臭いを発します。

・歯茎がムズムズする
歯茎がムズムズする、歯茎がかゆいと感じた場合は、歯周病を疑って良いでしょう。歯周病の初期において、歯周ポケットの中に汚れが溜まると、その中の歯周病菌のせいで歯茎が炎症を起こし、歯茎がムズムズする症状が起こります。

・歯が浮いている感じがする
歯が浮いている感じがするときも歯周病にかかっている可能性があります。歯周病は中程度にまで進行すると、歯の周りの組織の炎症が進むため、歯が浮いたように感じるのです。

・朝起きたときに口の中が苦く、ネバネバする
一時的にお口の中がネバネバしている場合は、体調不良やストレスなどの原因も考えられますが、それが慢性的に起こっている場合は、歯周病を疑って良いでしょう。歯周病が進行すると、歯肉溝浸出液というネバネバの液体が流出し、お口の中が粘着く原因となります。また、歯周病菌が繁殖すると唾液が少なくなってしまうこともあり、これもお口の中がネバネバする原因になります。

・腫れた歯肉を押すと白い膿が出てくる
歯肉が腫れてしまい、歯と歯肉の間を押すと白い液体が出てくることがあります。この白い液体の正体は膿で、進行した歯周病が原因である可能性があります。歯肉が腫れて炎症を起こしているため、膿が排出されているのです。

・冷たい飲み物や熱い飲み物で歯がしみる
冷たい飲み物や熱い飲み物を飲んだときに歯がしみるような痛みを感じたときも、歯周病にかかっている可能性があります。歯周病が進行して、エナメル質で覆われていない歯の根が露出したために刺激を感じやすくなるのです。このような症状が悪化すると、歯ブラシを当てるだけでも痛みを感じるようになり、歯周病の原因となる歯垢をきれいに除去するためのブラッシングができなくなり、歯周病がさらに悪化してしまうという悪循環が生じてしまいます。

歯周病と歯槽膿漏の見た目の違い

歯周病と歯槽膿漏の見た目の違い

実は、歯周病と歯槽膿漏には違いはありません。歯槽膿漏とは、歯周病の症状が最も進んだ状態のことを言います。

まず、歯周病はその炎症が起こる範囲に応じて、歯肉炎と歯周炎に分けられています。そして、歯周炎はその進行している度合いによって、軽度・中等度・重度に分けられています。歯槽膿漏とは、歯周炎が中等度から重度に進行した状態のことを言うのです。歯肉炎では、歯茎だけに炎症が生じ、歯茎が赤い、歯磨きをすると出血するなどの症状がありますが、歯周炎では、歯茎だけではなく、歯を支えているアゴの骨にまで炎症が及んでしまい、歯茎から膿が出たり、歯がぐらぐらと動くようになってしまいます。歯槽膿漏とは、この歯周炎の症状が最も進み、歯を支えるアゴの骨が壊されてしまい、歯並びが悪くなったり、強い口臭が出たりする状態のことを指します。

歯周病を見た目だけでなく、より精密に診断する検査

歯周病を見た目だけでなく、より精密に診断する検査

歯周病にかかっているかを自分でチェックしても判別しにくい場合は、歯科医院でより精密に検査してもらいましょう。歯科医院で歯周病を検査する方法には、下記のようなものがあります。

歯周ポケット検査

歯周病の初期症状の1つに、歯と歯肉との間にある隙間(歯周ポケット)が、深くなってしまうことがあります。この歯周ポケットは歯周病が進行するほど深くなると考えられているため、歯肉の入り口から歯周ポケットの底までの長さを測ることで、歯周病の症状がどれぐらい進んでいるか判定します。

この長さを測るために使用する器具をプロープと言い、そのため歯周ポケットの深さを測る検査をプローピング検査と言います。プロープには目盛りがついており、それを歯と歯肉の間に差し込むことで、歯周ポケットの深さを図ります。健康な人の歯茎にも1~2mm程度の歯周ポケットは存在していますが、これが4mm以上の深さになると歯周病にかかっていると診断できます。また、歯周病が重度に進行した場合は、歯周病の深さは10mm以上になることもあります。さらに、プローピング検査を行った後に、歯茎から出血があった場合も、歯周病の症状があると判断される指標になります。

プラークの付着状態の検査

歯周病は、歯の周囲に付着した歯垢や汚れ(プラーク)が原因となって発症します。そのため、歯やその周囲に付着しているプラークの量が多いと歯周病になりやすいと言えます。プラークの付着量を検査するためには、患者さんに専用の染色液を使ってうがいをしてもらいます。その結果、プラークが付着している部分が赤く染まるため、付着状況を肉眼で判別します。プラークの付着状態の検査では、赤く染まったプラークが付着している部位をプラークありとして判定し、プラークが付着している程度を百分率で表します。プラークの付着状態は、歯周病治療を行った場合に炎症が治まりやすいか、治療後の再発を防ぎやすいかなどを判断する基準としても使われています。

レントゲン検査

歯周病が進行してくると、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてしまいます。そのため、歯周病の診断には、歯肉に覆われている歯槽骨の状態を調べることも必要です。歯槽骨の状態を確認するためにはレントゲン検査を行います。歯周病の軽度である歯肉炎の段階であれば、クリーニングや正しい方法で歯磨きすることで改善する可能性がありますが、歯槽骨にまで影響が出ている中度以上の場合は、レントゲン検査によって歯肉の中の骨の状態までを確認して、歯周病の症状の重さに合わせて治療する必要があります。

見た目などで歯周病だとわかったら

見た目などで歯周病だとわかったら

歯周病は、軽度であれば本格的な治療を始める前に自分で症状を改善できる場合もあります。歯周病の悪化を予防する方法には、以下のようなものが挙げられます。

正しい方法で歯磨きする

毎食後の歯磨きを欠かさなかったとしても、歯磨きを正しい方法で行っていないと、プラークが付着したまま残ってしまい、歯周病の原因となることがあります。そのため、下記のような正しい方法で歯を磨くことが大切です。
– 歯と歯茎の間に、歯ブラシの毛先を45度の角度で当て、小刻みに左右に動かす。
– 歯の面に歯ブラシの毛先を90度の角度で当て、左右に細かく動かす。
– 歯と歯の隙間に、垂直に歯ブラシを当て、根元部分に毛先を軽く入れて、小刻みに動かす。
– 強い力で磨くと歯茎に必要以上に負荷がかかってしまうため、歯ブラシを軽く持って、優しく磨きましょう。
– 歯と歯の間にプラークが溜まっている場合は、歯ブラシだけではきれいにしきれないので、歯間ブラシなどを使用しましょう。

生活習慣を見直す

毎日の悪い生活習慣の積み重ねが、歯周病の症状を進行させる原因になることもあります。下記のような生活習慣は、歯周病を悪化させる原因となるため、できるだけ改善することをお勧めします。

・喫煙
喫煙すると、歯にヤニが付いてしまい、そのヤニに細菌が付着することで歯周病が進行しやすくなります。また、タバコに含まれているニコチンが免疫機能を低下させることもあるため、歯周病がさらに悪化したり、治療しても効果が現れにくくなったりもします。歯周病を予防するためには、禁煙することが重要と言えるでしょう。

・疲労やストレス
お仕事や人間関係などで疲労やストレスが溜まってしまっていると、お口の中の唾液の量が少なくなり、口腔内が乾いてしまうことで、歯周病菌が繁殖しやすくなります。また、疲労やストレスが溜まっている方の中には、睡眠中に歯ぎしりや食いしばりをしてしまう方がいます。歯ぎしりや食いしばりをすると、歯や歯の周辺組織に負担がかかってしまい、細菌の影響を受けやすくなってしまうため、歯ぎしりや食いしばりをしないための対策も考えると良いでしょう。具体的な対策としては、身体を洗う際にシャワーだけでなく温かい湯船に使って身体をリラックスさせることや、歯科医院で歯ぎしりや食いしばりの影響を抑えるためのマウスピースを作製して就寝時に装着することなどが挙げられます。

・栄養不足
食事の栄養不足も歯周病が悪化する原因になります。食事の際に摂取すべき栄養素の例としては、ビタミンCは、歯周病で破壊された歯肉の再生を促す働きを期待できるので摂るべきでしょう。また、骨の形成を促進するカルシウムやビタミンDは歯を丈夫に保つ効果が期待できます。一方で、糖質は取りすぎるとプラークが多く歯に付着してしまい、歯周病が悪化してしまうため、食事における糖質の量には注意すべきです。

まとめ

まとめ

この記事では、歯周病を見た目でチェックする方法や、予防する方法などについて解説しました。歯周病は症状が進行していることに気づきにくく、重症化するとアゴの骨にまで悪影響を及ぼしてしまう怖い病気です。自分で歯周病を予防し、歯周病にかかっていないかチェックすることも大切ですが、定期的に歯科医院を訪問して、プロの手による検査やクリーニングを受けられるとさらに安心でしょう。

参考文献

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