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歯周病

歯周病の治療方法をご紹介|治療期間や治療費用・症状も詳しく解説します

笑う女性

歯周病は30歳以上の成人の約8割がかかっているといわれている病気です。

大きな痛みなどの自覚症状が少なく、気づいたときには症状が進行しているケースも珍しくありません。

しかし、そのまま放置してしまうと大切な歯を失う事態にもなりかねません。

本記事では、気づいたら歯周病の症状が進行していたという方や歯周病について詳しく知りたい方に向けて、以下の内容について詳しく解説していきます。

  • 歯周病の治療方法
  • 歯周病の治療期間・費用の目安
  • 歯周病の段階ごとの症状

ぜひ本記事を参考に、今後の歯周病予防や治療に活かしてください。

歯周病とは

歯医者診療

歯周病とは、歯を支える歯ぐきや骨などの歯周組織に細菌が入り込み、炎症を起こしてしまう病気です。

歯周組織は歯肉(歯ぐき)以外は目視では確認できませんが、以下の4つの組織で構成されています。

  • 歯肉(歯ぐき):歯の周りにあるピンク色をした軟組織
  • セメント質:歯根の表面にある組織
  • 歯槽骨:歯肉と歯根を支える組織
  • 歯根膜:セメント質と歯槽骨を結ぶ組織

健康な歯は歯周組織によって支えられていますが、歯みがきが不十分の場合、歯垢(プラーク)が付着し細菌が増殖していきます。

歯垢は食べ物の残りカスが原因で繁殖し、食後8時間程でできるといわれており、1mgあたり1億個以上の細菌が含まれている歯肉炎、歯周病の原菌となります。

また、歯垢は唾液に含まれるカルシウムやリン酸と結合すると、およそ2週間で歯石とよばれる塊となって歯の表面に付着します。

歯石は歯と歯肉の間から歯根の表面に付着し、細菌の毒素を発生させます。細菌の出す毒素によって歯肉は炎症し、歯を支える歯槽骨や歯根膜が破壊されてしまうのです。

その結果、歯周ポケットといわれるミゾが深くなり、歯のグラつきや抜け落ちてしまうといった症状を引き起こすのが歯周病です。

歯周病の治療方法

歯科治療

歯周病になったからといってあきらめることはありません。

以前は、歯周病は治らない病気といわれていました。しかし、現在では治療法が確立されおり、歯周病の進行程度によっては治療により治る病気です。

主に歯周病の治療方法は以下の4つです。

  • 歯垢・歯石の除去
  • 抜歯
  • 外科的処置
  • 再生治療
歯垢・歯石の除去

歯垢・歯石の除去

歯周病の程度にかかわらず、はじめに行われる治療が歯周基本治療であり、プラークコントロールが重要です。

歯ぐきの状態や歯周病を悪化させる要因を特定し、歯垢・歯石の除去を行います。基本となるのが、歯みがき(ブラッシング)と専用機器を使った治療方法です。

歯みがきは、自宅でのプラークコントロールの基本となるため、検査の段階で指導が入ります。ここで正しい歯みがきのやり方を身につけましょう。

歯科医院で行う専用機器を使った治療方法には、スケーリングとルートプレーニングの2種類があります。

スケーリングは、歯の表面に付着した歯垢・歯石を除去する治療です。ルートプレーニングは、細菌によって汚染されたセメント質を取り除き、歯の表面をなめらかにする治療です。

上記の治療方法は、主に軽度の歯周病に対して行われます。

治療により歯周ポケットの深さが浅くなれば、症状が改善されたと判断され、そのまま定期健診(メインテナンス)に入ります。

抜歯

抜歯した歯

抜歯は、重度の歯周病によって歯周ポケットのミゾが深くなり、歯を支える歯槽骨が破壊されてしまっているといったやむを得ない状態の場合に行われる治療法です。

また、重度の歯周病を放置をすると歯槽骨が吸収され歯が抜けて落ちてしまうだけでなく、歯を支える顎の骨まで失われる恐れがあります。

抜歯した歯を補う治療法としては、以下の3つがあります。

  • ブリッジ:抜歯した歯の両側を削り、橋をかけるように技工物を装着する治療
  • インプラント:抜歯した部分に人工歯を埋め込む治療
  • 入れ歯:取り外しが可能な義歯を使用する治療

歯はできることなら失いたくありません。しかし、症状が進み抜歯をする選択肢しかない方もいるのが現状です。

抜歯を行う際は、抜歯後のケアも考えながら、かかりつけの歯科医師に相談することをおすすめします。

外科的処置

歯科衛生士と患者

中度から重度の症状の場合に行われる3つの外科的処置をご紹介します。

    • FOP(歯肉剥離掻爬術:しにくはくりそうはじゅつ)

FOPとは、別名「フラップ手術」ともよばれており、歯ぐきを切開して歯の根元や歯槽骨に付着した歯石を取り除く医療手術です。

スケーリングでは届かない歯周ポケットの歯石を取り除く場合に有効になります。

    • FGG(遊離歯肉移植術:ゆうりしにくいしょくじゅつ)

FGGとは、歯周病が進行し歯ぐきが下がってきた箇所に、別の健康な歯ぐきを移植する手術です。

上皮と結合組織の2層を移植するため、移植後に周りの歯ぐきと色が異なる場合があります。

    • CTG(結合組織移植術)

CTGとは、FGGと同じく歯ぐきが退縮し、歯の根元が露出してしまった場合に健康な歯ぐきを移植する手術です。

FGGと異なる点は、移植する組織は結合組織のみという点です。もとの上皮の上から移植するため、周りの歯ぐきとの違和感はさほどないでしょう。

そのため、前歯付近の目立つ箇所に向いている手術です。

万が一、歯周病が進行してしまい症状が悪化してしまった場合は、外科手術を検討しましょう。ただし、持病や服用している薬によっては、手術を受けることができない可能性があります。

担当の歯科医師と相談し、適切な治療方法を選択してください。

再生治療

歯科医師

再生治療とは、歯周病の進行により失われた歯周組織を再生させる治療法です。具体的には、以下の3つの治療法があります。

    • GTR(組織再生誘導)

GTR法とは、歯周組織を再生させるために細菌などの有害な物質が入り込まないよう、スペースを確保して誘導する治療法です。

    • EMD、rhFGF-2(エムドゲインまたはリグロスの塗布)

エムドゲインやリグロスとは、たんぱく質の一種であり、歯周組織を活性化させる成長因子です。

治療する部位を切開して歯垢を除去した後、エムドゲインまたはリグロスを塗布し、縫合します。歯周ポケットが浅くなり、歯槽骨の再生が期待できます。

    • 骨移植

自身の口内から血液や骨を採取して、失われた歯周組織へ移植する治療法です。組織の再生速度には個人差があり、半年以上かかる場合もあるようです。

手術後の部位は清潔に保ち、刺激を与えないようにする必要があります。そのため、手術後は歯みがきによる刺激を避けるために、うがい薬や口内洗浄液を使用します。

また、生活習慣の乱れや喫煙は歯周組織の再生速度を低下させるため、健康状態にも気をつけましょう。再生手術を希望している方は、歯科医師と相談し自身に適した治療法を選択してください。

歯周病の治療期間

看護師と患者

歯周病の治療には、どれくらいの期間がかかるのか気になるところです。治療期間の目安が分かれば、治療に踏み切れる方もいるかもしれません。

歯周病の治療にかかる期間を症状の段階ごとに分けてご紹介します。

軽度

歯周病が初期段階(軽度)の場合、治療期間は1~2ヵ月程度とみてよいでしょう。

初期段階ではカウンセリングを行い、歯周組織検査で症状の確認がされます。その後、治療計画が立てられ、歯周基本治療(プラークコントロール)が行われます。

症状が軽度の場合、歯周組織が破壊されていないため、一度の歯周基本治療で症状が改善される可能性が高いです。治療後の再検査の結果、問題がなければ定期健診(メインテナンス)へ移行します。

中等度

中等度段階の場合、治療期間は3~6ヵ月程度かかるでしょう。

歯周組織に腫れや出血が起こるようになり、プラークコントロールやスケーリング・ルートプレーニングだけでは症状が改善されないケースが多いです。その場合に再検査の後、歯周外科治療などを行い、経過を観察します。

重度

重度の歯周病の場合、歯周外科治療や歯周組織再生治療を想定した治療計画が立てられるため、治療期間は6ヵ月~1年と長期にわたってかかるケースもあるでしょう。

さらに、抜歯なども必要となった場合に、インプラント治療などを行うと、治療期間はもう少し延びる場合があります。

歯周病の治療は、症状が重いほど治療期間は長くなります。同時に歯科医院との付き合いも長くなるでしょう。そのため、信頼できる歯科医院を選ぶことが大切です。

歯周病の治療費用

治療費

歯周病の治療費用には、保険診療と自由診療の2種類があります。

保険診療は、健康保険が適応されるため少ない負担で治療が受けられる点がメリットです。

各医院に方針にもよりますが、歯周基本治療(スケーリング・ルートプレーニング)、歯周組織再生療法の一部では健康保険適応のものもあります。

症状の段階によって治療費も大きく変わるため、担当医と相談したうえで適切な金額で治療を行ってもらいましょう。

歯周病の症状

歯をチェック

歯周病にかかった場合、重症化しないためにも自分がどの程度の症状なのか判断して対処する必要があります。

正確な診断は歯科医院で行われますが、自宅でのセルフチェックでもある程度の進行具合は確認できます。

歯周病の進行度を4段階に分けてまとめました。セルフチェックできる項目もつけてありますので、自身がどの段階の症状なのかすぐに確認できるでしょう。

また、次のような方は歯周病になりやすいといわれています。

  • 物を食べた後や寝る前に歯みがきをしない
  • 喫煙者
  • 妊娠中
  • 中年期以降の方
  • 糖尿病にかかっている
歯肉炎

歯肉炎とは、歯と歯ぐきの間に歯垢が溜まり炎症を起こし、歯ブラシをすると出血するといった症状が表れる歯周病の初期段階です。

健康な状態の歯ぐきと比較すると、歯ぐきにミゾ(歯周ポケット)ができているのが分かります。また、歯肉炎では歯周組織が破壊されることはありません。

そのため、早期に発見して正しいブラッシングで歯垢を除去することで、歯ぐきを健康な状態に戻せるでしょう。

軽度の歯周病

以下の項目に当てはまる方は、軽度の歯周病の可能性があります。

  • 歯ぐきが赤く腫れている
  • 歯をみがくと出血することがある
  • 歯を押すと前後に動くことがある
  • 歯ぐきにかゆみを感じる

軽度の歯周病では、歯ぐきの炎症に加え、歯槽骨にも炎症が広がっている状態です。歯ぐきが赤く腫れる・歯をみがくと出血するといった症状が見られます。

また、炎症によって歯槽骨が溶かされ、歯周ポケットも深くなっているでしょう。歯周ポケット内に入った歯垢を放置すると、唾液と混ざり歯石に変化します。

歯石は歯垢の細菌が凝縮されているため、強力な毒素を放ち歯槽骨をさらに溶かしてしまうでしょう。軽度の歯周病を発見したら、すぐに歯科医院へ行くことをおすすめします。

中等度の歯周病

以下の項目に当てはまる方は、中度の歯周病の可能性があります。

  • 歯ぐきが下がり、歯が長くなった
  • 少し歯をみがいただけでも出血する
  • 歯にグラつきを感じ、硬い物が噛みにくい
  • 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなった

中等度の歯周病では、歯槽骨が溶けてしまい、歯周ポケットが4~6mmと深くなります。

さらに、少し歯をみがいただけでも出血しやすくなります。歯を支える歯槽骨が溶け始めている影響から、歯がグラつき硬い物も噛みづらくなるでしょう。

歯ぐきに痛みを感じることもあるため、歯みがきが辛くなってしまい歯周病がさらに進行してしまうケースもあるようです。

中等度の歯周病であっても、症状が出たら歯科医院で治療を受けましょう。治療期間はかかってしまいますが、治療は十分に可能な段階です。

重度の歯周病

以下の項目に当てはまる方は、重度の歯周病の可能性があります。

  • 口内がネバつき、口臭が強くなる
  • 歯ぐきから膿が出てくる
  • 歯のグラつきが大きくなり、生活に支障が出る
  • 歯ぐきがさらに下がり、より歯が長く見える

中等度の歯周病より症状がさらに進行し、歯を支える歯槽骨もほとんど溶けてしまっている状態です。

歯周ポケットは6mm以上と深くなり、歯のグラつきも大きくなるでしょう。その結果、食事や発声など生活にも支障をきたすようになってしまいます。

さらに、歯垢と唾液が混ざることで口内がネバつき、口臭も強くなる傾向があります。歯ぐきからは膿も出るようになり、起床時に出血することもあるようです。

重度の歯周病は、歯を支える根元の骨が溶かされてしまい、歯を支えることができなくなってしまいます。

口内の状態や周囲の歯を守るために、最悪の場合は抜歯を選択する必要も出てくるということは覚えておきましょう。

まとめ

看護師

本記事では、歯周病の治療方法に加え、治療期間や治療費用、歯周病の段階ごとの症状について詳しく解説してきました。

歯周病の治療方法には、以下の4つがあります。

  • 歯垢・歯石の除去(プラークコントロール)
  • 外科的処置(FOP・FGG・CTG)
  • 再生治療(GTR・EMD・骨移植)
  • 抜歯

治療期間は症状によって異なるため、歯科医院に相談して治療計画を立ててもらいましょう。

治療費用は、保険診療と自由診療の2種類があります。保険診療は、健康保険が適応される代わりに治療内容に制限があります。自由診療は、再生療法やインプラントなどがあります。

それぞれの特徴と金銭面を考慮して、満足できる治療が受けられる方を選びましょう。

歯周病は軽度な状態では自覚症状が少なく、感染に気づきにくいです。そのため、毎日の観察が早期発見につながります。

また、感染症だけでなく生活習慣病ともいわれる側面があるため、一時の治療がすべてではありません。日々の生活も密接にかかわっていることは覚えておいてください。

本記事が、歯周病に悩む方の治療や予防に役立つと幸いです。

参考文献

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