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歯周疾患とは?日本の実態や歯周病について徹底解説!

歯周疾患とは?日本の実態や歯周病について解説

CMなどでも度々耳にする歯周病などの歯周疾患。実は、意外と多くの人がこれらの疾患に罹患しており、さらに歯周病は全身の疾患とも関係していることが明らかになっています。 本記事では、そのような歯周疾患について、以下の点を中心にお伝えしていきます。

  • そもそも歯周病とは?
  • 歯周病患者の割合
  • 歯周病と全身の疾患との関係

ぜひ最後までご覧ください。

歯周病とは

歯周病とは

そもそも、歯周病とはどのようなものなのでしょうか? 以下で詳しく見ていきましょう。

歯周病の定義

厚生労働省によると、歯と歯ぐき(歯肉)の隙間から侵入した細菌が、歯肉に炎症を引き起こした状態(歯肉炎)や、それに加えて歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまう状態(歯周炎)を合わせて、歯周病といいます。歯周病は、細菌が作り出す酸によって歯を溶かすむし歯とは異なります。

歯周病の原因

歯周病の原因は、歯と歯ぐき(歯肉)の隙間に入り込んだ細菌です。細菌が歯周ポケットに蓄積され、プラークやバイオフィルムとなって、歯肉炎や歯周炎を引き起こします。特に歯周病菌は、毒素を分泌して歯肉を腫らせ、血や膿を出したり、歯槽骨を溶かしたりする原因となります。このプラークは外部からの抗菌薬に抵抗し、薬が効きにくい構造となっているため、定期的な歯磨きや歯科医院でのクリーニングが必要です。タバコの喫煙やストレス、栄養不足などは歯周病の進行を早める原因になる可能性があります。歯周病の原因はあくまでもプラーク中の細菌です。

歯周病の症状

歯周病の症状は、歯周ポケット内への歯周病原性細菌の侵入により、歯肉に炎症が生じることで現れます。具体的には、以下のような症状が見られます。 歯肉の腫れや赤みがある 歯磨きや食事の際に出血する 口臭が気になる 歯が浮いた感じがある 歯ぐきが引いて歯が長くなったように感じる 歯が揺れるようになる このような症状が現れた場合は、早めの治療が必要です。また、症状が現れなくても、定期的な歯科検診や適切な口内ケアを行うことが重要です。

歯肉炎と歯周炎について

歯肉炎と歯周炎について

ここからは、歯周炎と歯肉炎について解説していきます。

歯肉炎とは

歯肉炎とは、歯周病の一種で、歯肉の炎症を引き起こす状態のことです。歯ぐきの腫れや赤み、出血などが主な症状として現れます。軽度の段階では痛みや腫れが目立たず、放置してしまうことが多いため、早めの対処が必要です。適切なケアをすることで、歯肉炎を改善し、健康な歯ぐきを取り戻せます。

歯周炎とは

歯肉炎の症状が進行することで歯周炎になります。 歯周炎とは、歯垢や歯石が歯と歯ぐきの間にたまり、歯を支える構造にまで広がる病気です。歯ぐきが腫れて出血し、口臭が生じ、歯がぐらつくようになります。X線検査を行い、歯周ポケットの深さを測定し、重症度を調べます。歯肉炎や歯周炎は感染症にかかりやすい人は特に注意が必要です。感染症にかかりやすい人は歯周炎も歯肉炎も同様に起こります。 喫煙、糖尿病、ビタミンC欠乏症、精神的苦痛などが危険因子です。初期症状は、歯ぐきの圧痛、腫れ、出血、発赤、口臭です。骨が失われるにつれて、歯がぐらつき、歯の位置が移動し、痛みを伴うようになります。歯周炎は成人が歯を失う大きな原因の1つで、高齢者ではその最大の原因になっています。

日本人の歯周疾患の実態

日本人の歯周疾患の実態

日本人の歯周疾患の実態はどのようになっているのでしょうか。 以下で詳しく見ていきましょう。

歯周病である日本人の割合

2016年の歯科疾患実態調査によると、4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合は35~44歳で42.6%、歯肉出血を有する者の割合は35~39歳で43.2%となっており、いずれのことからも半数近い割合の人が何らかの歯周病を罹患していることがわかります。 また、歯周ポケットに関しては年齢と正の相関関係を示しており、例えば55~64歳の年齢帯だと半数を超えた53.7%の人が4mm以上の歯周ポケットを抱えています。 ただし、日本人の歯周病の割合については、「国民の8割が歯周病」という謳い文句がありますが、これは以前の歯科疾患実態調査の結果に基づいたもので、歯肉出血・歯石・歯周ポケットのいずれかが認められた場合に「所見あり」と評価されるため、少しでも歯石がついている場合も含まれています。そのため、ブラッシングで簡単に治癒するようなより初期で軽度の歯肉炎も含まれているため、大げさなとらえ方と言えるかもしれません。

世界との比較

世界保健機関(WHO)が収集した情報によると、世界的には4~6割程度の人が歯周ポケットを有しています。

歯周病の早期発見・予防法

歯周病の早期発見・予防法

歯周病を予防するためにどのようなことに気をつければよいでしょうか。 以下で詳しく見ていきましょう。

歯周病のセルフチェック

以下の点に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

  • 朝起きたときに、口の中がネバネバすることがある
  • 歯磨きのときに出血することがある
  • 硬いものが噛みにくくなった
  • 口臭が気になることがある
  • 歯肉がときどき腫れることがある
  • 歯肉が下がって、歯と歯の間にすきまができてきた
  • 歯がグラグラすることがある

歯周病の予防法

歯周病は歯垢が原因なので、歯ブラシを用いて、歯垢を取り除きましょう。食事のとり方にも注意しましょう。甘いものや柔らかいものは口の中を不潔にします。歯ぐきが赤く腫れていないか、血がでていないかなどを自分でチェックしましょう。歯周病予防のために、自分自身でできることは、歯の表面から歯垢を取ることです。歯磨きの時間を長くして、砂糖の影響を少しでも短くすることが大切です。 また、適切な大きさの歯ブラシを選ぶことも重要です。特に、歯周病は歯と歯ぐきの境目に注意しましょう。自己診断できる症状として、歯ぐきからの出血、歯垢や歯石のたまり、歯の動揺、歯のしみる感じなどがあります。異常があったら、歯科医に診てもらいましょう。

歯周病と全身の関係

歯周病と全身の関係

歯周病は全身にも影響を及ぼす可能性があります。以下で解説していきます。

歯周病と心臓疾患・脳血管疾患

歯周病は、口の中で常に炎症が続いている状態であり、炎症によって出てくるさまざまな化学伝達物質が歯肉の血管から全身に入るため、様々な病気を引き起こし、悪化させる原因となります。歯周病は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせ(糖尿病)、心筋梗塞・脳梗塞などの心臓疾患・脳血管疾患にも関与しています。また、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎の原因となることもあります。日々の歯磨き・口腔ケアを見直し、歯周病の治療・予防を行うことで、全身の様々な病気のリスクを下げられます。

歯周病と糖尿病

「歯周病と糖尿病」という二つの病気は密接に関連しています。糖尿病患者は歯周病にかかりやすく、逆に歯周病があると血糖値コントロールが悪くなると言われています。歯周病は口内の炎症であり、口の中の健康を保つためにも適切なケアが必要です。歯周病になると、口の中の出血や膿から炎症に関連した化学物質が血流にのり、血糖値を下げるインスリンの効きにくさを引き起こします。そのため、糖尿病の発症や進行につながります。適切なケアを行い、口内の健康を維持することが、歯周病と糖尿病の予防につながるでしょう。

歯周病と妊娠

妊娠中の女性は歯肉炎にかかりやすく、特に妊娠後期には妊娠性歯肉炎が起こりやすいとされています。女性ホルモンの増加が原因で、清潔な口の中であっても起こることがあります。プラークコントロールを行うことで、歯周病を予防できます。また、歯周病に罹患している妊婦は、低体重児や早産のリスクが高くなることがわかっています。口の中の細菌が胎盤を通して胎児に直接感染するため、しっかりと歯周病予防を行うことが重要です。

歯周病と骨粗しょう症

骨粗しょう症は、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気であり、日本では推定約1,000万人以上いると言われています。特に閉経後の女性に多く発症する骨粗しょう症と、その患者さんにおいて歯周病が進行しやすいことが報告されています。エストロゲンの分泌が少なくなると、歯槽骨がもろくなるとともに、歯周炎の進行が加速されるため、歯周病にかかりやすくなると言われています。 また、骨粗しょう症の治療薬であるビスフォスフォネート製剤を服用している方が歯を抜く場合、周囲の骨が壊死するトラブルが報告されています。歯周病で歯がぐらついている場合でも自分で抜くことは避けましょう。

まとめ

まとめ

ここまで歯周疾患についてお伝えしてきました。 本記事の要点は以下のとおりです。

  • 歯周病とは、歯を支える組織である歯肉、歯槽骨、歯根膜に炎症が起こる疾患の総称
  • 日本の30代以上では40%以上の人が歯周病にかかっている
  • 歯周病は心臓病、糖尿病、骨粗鬆症など様々な全身疾患と関係している

この情報がお役に立てば幸いです。 最後までご覧いただきありがとうございました。

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