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歯周病になりやすい人の特徴を解説|原因もご紹介

歯周病になりやすい人

成人してから歯を失う原因のほとんどを占めている歯周病は、自覚のないままに症状が進行していく難しい疾患です。

むし歯のように痛みを伴うことがなく、歯茎からの出血やぐらつきが認められて初めて発覚するケースも少なくありません。

実は、歯周病になりやすい人には共通の特徴があるとされています。

もちろん1つの特徴だけが直接的な原因にはなりませんが、当てはまる要素が多い場合には、予防に力を入れるなどの注意が必要です。

本記事では、歯周病になりやすい人の特徴を解説します。

この記事の監修歯科医師

歯周病になりやすい人の特徴

歯の痛い女

それでは早速、歯周病になりやすい人の特徴について確認していきましょう。最初に述べると、歯周病になりやすい人の特徴には以下の5つの要素が挙げられます。

  • 歯磨きをあまりしない
  • 口呼吸している
  • ストレスがたまっている
  • 歯磨きをあまりしない
  • 喫煙習慣がある
  • 歯並びが悪い

ここからは、1つずつ解説していきます。

歯磨きをあまりしない

歯周病の最大の原因は、プラークとされています。プラークを落とすには、定期的な歯磨きが欠かせません。

歯磨きをあまりしなかったり、寝る前の歯磨きを怠ったりすることが多い人は、やはり歯周病になるリスクが格段に跳ね上がります。

歯周病は生活習慣病の1つです。日々の生活習慣がそのまま口腔状態へと影響してしまいます。

歯磨きは歯周病予防の基本ですので、今日からでも1日2回は行うようにしましょう。

口呼吸している

一見関係のないように感じられる特徴ですが、実は口呼吸している人も注意が必要です。口腔内は粘膜でできており、常に唾液に覆われることで細菌の侵入を防いでいます。

しかし、口呼吸をしていると唾液が乾いてしまうので、自浄作用や殺菌作用が働かなくなってしまうのです。

口呼吸で乾燥した口腔内では、細菌と戦う白血球の機能も低下していきます。こうして侵入した歯周病菌は徐々に増殖し、歯周病の発症へと繋がります。

口を開ける癖のある人・慢性的な鼻詰まりに悩まされている人は、歯周病予防を意識しましょう。

ストレスがたまっている

ストレスは、身体の免疫機能を低下させます。歯周病から身を守るために必要な唾液の分泌量も減ってしまうため、ストレスがたまっている人も歯周病に注意しなければなりません。

ストレスは、歯周病の間接的な要因になることもあります。

例えば無気力になってしっかりと歯磨きができなかったり、食習慣に悪影響を及ぼしたり、歯に強い力が加わる歯ぎしりをしてしまったりと生活習慣の悪化に繋がるのです。

前述のように歯周病は生活習慣病の1つのため、悪い生活習慣は口腔状態も悪化させてしまいます。

喫煙習慣がある

喫煙

タバコに多くの有害物質が含まれていることは周知の事実ですが、歯周病にとって喫煙のリスクは非常に大きいとされています。

喫煙習慣がある人は、吸わない人と比べて2〜8倍もリスクが高まるといわれるほどです。その理由は以下の通りです。

  • 血行が悪くなり、歯茎に酸素や栄養が行き渡らなくなる
  • 抵抗力が弱まり、白血球の機能が低下する
  • 唾液の分泌量が減るため、自浄作用・殺菌作用が働かなくなる

歯周病の進行速度が早まることも判明しており、ご自身の健康のためにも喫煙は望ましくありません。

歯並びが悪い

歯並びが悪いとは歯が重なり合っていたり、隙間ができていたりする状態を指します。歯並びが悪いと歯磨きが思うようにできず、プラークが溜まる要因となります。

プラークをそのまま放置していると歯石となり、やがて歯周病へと繋がってしまうでしょう。

歯周病予防において歯磨きは非常に有効ではありますが、ただ歯磨きをしていれば良いというわけではありません。

歯磨きはプラークを落とすために行います。歯と歯茎の境目・歯と歯の間・奥歯・歯の裏などは丁寧に磨くように心がけてください。

歯周病になる原因

歯の痛い女

歯周病になる直接的な原因は、歯周病菌によるものだとされています。

歯周病菌は毒素を発生させ、歯を支える歯槽骨を溶かします。歯周病にかかると歯肉が下がったり、歯がグラグラになったりするのは、歯槽骨が歯を支えきれなくなったためです。

歯周病になる原因として前述したプラークは、歯周病菌が発生するためのクッションのような役割を果たしています。

歯磨きが十分でなかったり、糖分を過剰に摂取したりすると、口の中に常在している細菌が粘着性の強いプラークを作ります。

プラークには1mgあたり1億個以上もの細菌が含まれており、歯周病菌もプラークを住処として繁殖してしまうのです。

増殖した歯周病菌は、やがて歯肉に炎症を引き起こします。これが歯周病の初期症状である歯肉炎です。

歯肉炎にかかると、歯磨きをした際に出血しやすくなったり、歯肉が赤く腫れたりします。触ってみるとプニプニと柔らかい場合には、歯肉炎の可能性が高いとみて良いでしょう。

そのまま進行すると、歯肉が膨張することで歯周ポケットが着々と深まっていきます。歯周ポケットとは、歯と歯肉の隙間のことです。

歯周ポケットの中は歯周病菌にとって非常に居心地の良い環境であり、歯周病菌の増殖は着々と進んでいきます。

さらに、プラークは時間経過とともに歯石となり、歯磨きでは取り除けないほど硬い物質へと変わります。

そうして歯周病菌は、歯石を足がかりにして歯周ポケットの奥深く、つまり歯槽骨へと進行してしまうのです。

歯周病菌の毒素によって歯槽骨が溶かされていき、最終的には歯が抜けるほどになってしまいます。これが歯周病の最終形態である歯周炎です。

歯周病はプラークから始まります。予防のためには、正しい歯磨きを毎日行うことが大切です。

歯周病のリスク

模型の歯

歯周病は、口腔内に問題を起こすだけではとどまりません。歯周病菌による炎症によって発生する物質や歯周病菌自体が、歯肉の血管から全身へと回ってしまうためです。
炎症性の物質は、以下のようなリスクを高めます。

  • インスリンの働きを低下させ、糖尿病を悪化
  • 早産や低体重児出産
  • 肥満
  • 動脈硬化による心筋梗塞・脳梗塞

そして、歯周病菌自体が血管に入ってしまった場合には、以下のようなリスクが高まります。

  • 狭心症・感染性心内膜炎・心筋梗塞などの心臓病
  • 脳卒中

血管は身体中に酸素や栄養を行き渡らせるために大切なものではありますが、時には身体に悪い影響をもたらす細菌までも運んでしまいます。

歯周病が悪化するにつれて、歯周病菌や炎症によって発生する物質の量も増えていくため、リスクは格段に跳ね上がるでしょう。

上記で挙げたリスクは血液によって運搬される場合でしたが、唾液によって運搬される可能性もゼロではありません。

歯周病菌を含んだ唾液が誤って気道に入ってしまえば、肺へと到達して気管支炎や肺炎の原因にも繋がってしまいます。

歯周病は日常生活に欠かせない歯だけでなく、進行するほど全身にも悪影響を及ぼすようになる恐ろしい疾患です。

予防やセルフケアを心がけ、健康的な口腔状態と身体を維持できるようにしましょう。

歯周病を予防する方法

鏡を見る女

ここからは、歯周病の予防方法について解説します。歯周病の予防において大切なのは、免疫力を低下させないことです。

ここでは具体的な方法として、ストレス発散・生活習慣の改善についてご紹介します。

ストレス発散

前述にて、ストレスがたまっている人は歯周病になりやすいとご説明しました。これは、ストレスが免疫力の低下を招くためです。

ストレスは歯周病だけでなく、さまざまな病気の原因にもなり得ます。予防のためには、定期的にストレスを発散させるように心がけましょう。

ストレス発散のおすすめな方法は、以下の通りです。

  • 身体を動かす
  • 腹式呼吸で深く深呼吸する
  • 音楽を聴いたり、歌を歌ったりする
  • 口角をあげる
  • 今の気持ちを書いたり、友人に話したりする
  • 湯船でゆっくりとリラックスする

さまざまな方法を挙げましたが、ストレス発散で大切なのは自分が心地よいと思えることをする点にあります。

できる範囲で構いませんので、心のケアも忘れずに行いましょう。

生活習慣の改善

前述のように、歯周病は生活習慣病の1つです。日常的な生活習慣が大きな影響を及ぼすため、健康的な習慣を身につけておくことが求められます。

日頃からお口のケアをしていますか?身体に悪い食事やタバコを吸うなど、悪循環に繋がる生活習慣になってしまっていませんか?

塵も積もれば山となるというように、日々の悪い生活習慣の積み重ねが大きな病気を呼びます。

歯周病は自覚症状がほとんどないままに着々と進行するため、気づいたときには手遅れになるケースも少なくありません。

これからも健康な身体でいるためには、生活習慣の改善も意識して行いましょう。まずは健康的な食事・運動・歯磨きから始めてみてください。

歯周病を予防するためのセルフケア

歯ブラシ

歯周病はプラークから始まります。歯周病を予防するためには、セルフケアでプラークを除去しなければなりません。

プラークを放置していると歯石となり、歯磨きでは取り除けなくなってしまうため注意が必要です。

そうならないためにも、まずはプラークの時点で取り除けるようにセルフケアに励みましょう。ここでは歯周病を予防するためのセルフケアについてご紹介します。

マウスウォッシュを使用する

マウスウォッシュ

マウスウォッシュは、薬用成分が配合されているものを使用すると歯周病予防に繋がります。

口の中をすすぐだけで簡単にケアできるので、手軽にできるセルフケアとして便利です。歯磨きの後の仕上げとして行いましょう。

液体ケア用品のメリットは、お口の隅々まで薬剤が広がる点にあります。歯磨きでは届かないような歯と歯茎の間まで浸透するため、歯周病予防には非常に効果的です。

基本的には歯磨きの後の仕上げに使う方法が理想ですが、歯磨きができないときなどにはマウスウォッシュ単体で使用しても良いでしょう。

特に仕事の合間のランチタイムは時間が限られているため、歯磨きの代わりとしてマウスウォッシュで口内をすすぐだけでも効果は期待できます。

清涼成分の含まれたマウスウォッシュを使用すれば、口臭予防にも繋がります。手軽に取り入れられるセルフケアとして、ぜひ実践してみてください。

デンタルフロスを使用する

デンタルフロスとは、細い糸状の器具のことです。

プラークは歯磨きでは届かないような場所にたまることが多く、特に歯と歯の間は注意する必要があります。

デンタルフロスは、そのような狭い場所もケアできる優れものです。歯磨きの後の仕上げとして活用しましょう。

マウスウォッシュよりも物理的にプラークを落とすことが可能なため、毎日の習慣として取り入れるのが望ましいです。

歯科医院では、デンタルフロスのケア方法についてもティーチングを受けられます。歯周病予防のためにも、正しいデンタルフロスの使い方を身につけておくのがおすすめです。

歯間ブラシを使用する

歯間ブラシ

歯間ブラシは、デンタルフロスと同様に歯と歯の間のプラークを落とすのに有効な器具です。似た役割を持っていますが、デンタルフロスとの使い分けるポイントがあります。

  • デンタルフロスが通せない方
  • デンタルフロスを使うことに慣れていない方
  • 歯と歯の間が広い方

ブリッジ治療をしている方は、デンタルフロスが通せない場合があります。そのようなときには、歯間ブラシを活用しましょう。

また、デンタルフロスを正しく使うためには、少々コツが要ります。

無理に行うと歯肉を傷つけてしまうこともあるため、デンタルフロスのティーチングを受けていない方や使用に慣れていない方は、歯間ブラシを使用するのがおすすめです。

歯周病になってしまったときの対処法

歯磨き

きちんとセルフケアを行っていても、歯周病になってしまう可能性は否定できません。では、歯周病になってしまったときにはどのように対処すれば良いのでしょうか。

歯磨きを徹底する

まず大切なのは、歯磨きを徹底することです。

歯磨きは歯周病予防の基本ですが、歯周病の進行を抑制することにも繋がります。

歯科で歯周病の治療を受けたとしても、毎日の歯磨きが徹底できていなければ治すことはできません。

一本一本丁寧に磨くことを心がけ、正しい歯磨きを行いましょう。

歯科で治療を受ける

歯茎がグラグラする・歯肉からの出血が見られるなど、歯周病の可能性がある症状が認められた場合には、速やかに歯科で治療を受けましょう。

歯周病は重度に進行するまで自覚症状のない、非常に恐ろしい病気です。発見が早いほど、治る可能性も高くなります。

放置していると歯周病菌が体内に循環し、重篤な病気を引き起こすこともあるため、違和感がある際は早めの受診を徹底しましょう。

まとめ

健康意識の高い夫婦

歯周病は、さまざまな要素が絡み合うことで発症します。

直接的な原因は歯周病菌やプラークにありますが、今回の記事で解説した歯周病になりやすい人の特徴に当てはまる方は、注意してケアする必要があるでしょう。

歯周病は口腔内の疾患だけにとどまらず、全身症状を引き起こすこともある恐ろしい病気です。

予防とセルフケアを心がけ、歯周病の初期症状である歯のぐらつきや歯肉の出血が見られた場合は、早めに歯科を受診するようにしてください。

参考文献

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