この記事では、歯周病の予防について以下の点を中心に解説していきます。
- 歯周病と歯磨きについて
- 歯磨きの方法
- 歯周病にならないために
歯周病の予防法について解説していますので、気になる方はぜひ最後までお読みください。
歯周病予防に歯磨きが大切な理由
まずは歯周病に歯磨きが大切な理由を解説します。
初期の歯肉炎は治る可能性が高い
歯周病の初期段階である歯肉炎は、適切な歯磨きを行うことで治る可能性はあります。歯肉が赤くなっていて歯肉炎と診断された場合、歯科医の指示に従って毎日きちんとブラッシングを行うことが重要です。歯肉炎にかかっている人はブラッシングで血が出ることがありますが、多量でない限り出血は気にしなくても大丈夫です。そして、定期的に診察を受けて経過を見てもらうことが大切です。この治療の難しいところは、毎日ブラッシングするのは歯科医ではなく患者さん自身だという点です。それも歯科医の見ていないところで磨くわけですから、きちんと磨けているかどうか、定期的に見てもらうことは不可欠です。
歯磨きで歯周病の進行を遅くできる
歯周病の進行は、歯磨きの仕方や歯周病原菌の多さや種類によって変わります。したがって、丁寧に歯磨きを行うと進行速度が遅くなります。進行を遅らせるためには、食生活の改善も重要となります。また、50歳以上の人は歯の根っこも虫歯になりやすくなるため、特に注意が必要です。
歯周病予防の歯磨き粉の選び方
ここでは歯周病を予防するための歯磨き粉の選び方を解説します。
歯周炎予防効果の高い「IPMP」や「CPC」が入っているのを選ぶ
歯周病の予防には、高い殺菌効果を持つ成分が配合されている歯磨き粉が有効です。特に、「IPMP(イソプロピルメチルフェノール)」や「CPC(塩化セチルビリジニウム)」などの成分は、歯周病の予防に役立つとされていますが薬効成分よりは物理的に歯垢などの汚れを除去することが重要です。
フッ素配合なら歯周炎予防と虫歯予防までできる
歯の健康を守るためには、歯周病の予防だけでなく、虫歯の予防も重要です。虫歯の予防には、酸の産生を抑制する「フッ素」が有効です。フッ素は、再石灰化を促進し、エナメル質を強化する効果もあります。歯周病が進行すると、口腔内の環境が悪化し、虫歯が発生しやすくなります。そのため、口腔内の環境を整えるためにも、歯周病予防と同時に虫歯予防ができるフッ素配合の歯磨き粉の使用が推奨されます。
歯周病にならないための歯ブラシの選び方
ここでは歯周病にならないための歯ブラシの選び方を解説します。
歯周病ケアに適した歯ブラシを選ぶ
歯周病の予防とケアには、適切な歯ブラシの選択が重要です。歯周病に効果的な歯ブラシは、歯周ポケットの清掃に適したもので、毛先が細めになっていることが理想的です。これにより、歯と歯ぐきの間の細かな隙間もしっかりと磨くことができます。
硬さが柔らかめの歯ブラシを選ぶ
歯ブラシの硬さは、自分の口腔状態によって選ぶべきです。特に、歯肉炎や歯周病、知覚過敏で歯ぐきが弱っている人、または歯磨きをするといつも出血がある人は、やわらかめの歯ブラシがおすすめです。間違った硬さの歯ブラシを選ぶと、歯や歯ぐきを傷つけたり口内環境の悪化につながる可能性があります。
毛の1本1本が細目のものを選ぶ
歯ブラシの毛の太さも重要な選択基準の一つです。毛が細い歯ブラシは、歯と歯ぐきの間や歯の隙間に深く入り込み、プラークや食べ残しを効果的に取り除くことができます。特に、歯周病の予防や改善には、毛先が細めの歯ブラシが推奨されます。
毛の先端が少し丸いものを選ぶ
歯ブラシの毛の先端が丸いものを選ぶことも、歯や歯ぐきを傷つけずに効果的に磨くための重要なポイントです。丸い先端は、歯ぐきを優しくマッサージしながら、プラークをしっかりと取り除くことができます。
歯周病にならないための歯磨きの仕方
歯周病にならないための歯磨きの方法を解説していきます。
歯と歯ぐきの境目を丁寧にブラッシングする
歯周病を防ぐためには、歯と歯ぐきの境目を特に重点的にブラッシングすることが重要です。歯と歯ぐきの境目には、歯垢が溜まりやすく、これが歯周病の原因となります。歯ブラシの毛先を45度の角度で歯と歯ぐきの境目に当て、ソフトに小刻みに動かすことで、歯垢を効果的に除去しましょう。
奥歯は、「タフトブラシ」で磨く
奥歯は歯ブラシが届きにくく、歯垢が残りやすい部分です。そのため、ヘッドが小さいタフトブラシを使用することで、奥歯の歯周ポケットにも毛先が届き、歯垢をしっかりと除去することができます。タフトブラシの使い方は、歯と歯ぐきの境目に毛先を45度の角度で当て、歯ぐきに沿ってやさしく小刻みに動かすことです。
フロスや歯間ブラシで歯と歯の間まで清掃する
歯と歯の間の歯周ポケットも歯周病の原因となる歯垢が残りやすい部分です。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、歯と歯の間の歯垢も効果的に除去できます。歯と歯の間の隙間が狭い部分はデンタルフロスを、隙間が広い部分は歯間ブラシを使用しましょう。
寝る前にはマウスウオッシュを使用する
就寝中は唾液の分泌が減少し、口腔内の細菌が増殖しやすくなります。そのため、寝る前には殺菌作用のあるマウスウオッシュを使用することで、就寝中の細菌の増殖を抑制し、口腔内を清潔に保つことができます。
歯周病にならないための予防法
最後に歯周病にならないための予防法を紹介していきます。
生活習慣を改善
健康的な生活習慣は歯周病予防に不可欠です。バランスの良い食事を摂取し、十分な睡眠を確保し、適度な運動を行うことで、口腔内環境を健康に保つことができます。特に、糖分の多い食品の摂取を控えることで、プラークの増殖を抑制することが可能です。
禁煙する
タバコは歯周病の大きなリスクファクターです。ニコチンは血管を収縮させ、歯肉の血行を悪化させます。さらに、タバコの一酸化炭素は歯周組織の酸素供給を阻害し、栄養不足を引き起こします。これにより、歯周病細菌に対する抵抗力が低下し、歯周病が進行しやすくなります。健康な口腔環境を維持するためには、禁煙が必要です。
ストレスを溜めない
ストレスは体の抵抗力を弱め、歯周病の進行を促進します。また、ストレスは生活習慣を乱す可能性があり、それが歯周病の悪化につながります。適度な運動やリラクゼーションを通じてストレスを解消し、心身の健康を保つことが重要です。
定期的検診を受ける
歯周病は初期段階では痛みが少なく、自覚症状がないことが多いです。そのため、定期的な歯科検診が必要となります。専門家による検診を通じて、早期に歯周病を発見し、適切な治療を受けることで、歯周病の進行を防ぐことができます。
まとめ
ここまで歯周病の予防法について紹介してきました。内容をまとめると以下の通りです。
- 初期の歯肉炎は歯磨きで対応できる可能性がある
- 歯磨きでは歯と歯茎の間を丁寧に磨く
- 歯周病にならないようにするために生活習慣を見直すことが重要
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。