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日本歯周病学会専門医・認定医のブログ

歯周病専門医とは?認定資格の種類・条件についても解説

歯周病 専門医

歯科医院を選ぶ際、みなさんは何を基準に選んでいるでしょうか。

  • 自宅から通いやすい
  • 土日に診察している
  • 夜遅くまで診察している

多くの方がこれらを基準に選んでいるのではないでしょうか。

しかし歯周病の場合、進行度によっては専門的な治療が求められます。そのため、歯周病のスペシャリストである歯周病専門医が在籍する歯科医院を選ぶのがおすすめです。

この記事では歯周病専門医とはどのような歯科医師なのかや、認定資格の種類・条件を解説していきます。ぜひ、参考にしてください。

歯周病専門医とは?模型を見せる医師

歯周病専門医は、日本歯周病学会が認定している歯周病の専門資格を取得した医師です。

日本歯周病学会では、歯周病に関する知識・技術のある医師・衛生士を認定医・認定歯科衛生士として認定しています。

詳しくは後述しますが一定期間の研修を受け、所定の試験に合格しないと資格は得られません。

厚生労働省が平成24年に発表した統計では、歯科医師99,659人に対し歯周病専門医は1,115人でした。全体の1%にも満たず、非常に貴重な存在であるのがわかるでしょう。

日本歯周病学会の認定資格の種類・条件

歯科治療

日本歯周病学会の認定資格には次の3種類があります。

  • 認定医
  • 専門医
  • 指導医

それぞれの資格を得るためには試験に合格するだけでなく、所定の条件をクリアする必要があります。

下記ではこれらの認定資格の条件などを紹介します。

認定医

認定医になるためには、まず以下の条件をクリアする必要があります。

  • 日本歯周病学会に3年以上継続して在籍
  • 学会が認定する研修施設に3年以上在籍し、歯周病学に関する研修・臨床経験をする
  • 日本歯周病学会学術大会の認定医・専門医教育講演を2回以上受講
  • 日本歯周病学会が行う倫理に関する講演を1回以上受講

これらの条件をクリアすると試験の受講資格が認められて、合格すれば認定医となります。

しかし資格を取って終わりではありません。5年ごとに更新手続きが必要で、生涯研修単位を5年の間で研修会出席50単位以上取得する必要があります。

生涯研修単位は日本歯周病学会学術大会・学会・研修会などに参加することで単位が貰える研修会出席と、研修会での発表や教育機関での講演などで単位が貰える業績発表の2種類があります。

認定医の場合は研修会出席が50単位以上なので、日本歯周病学会学術大会・学会・研修会などに定期的に参加しなくてはいけません。

他にも認定医・専門医教育講演に2回以上の出席が必要です。資格を取得後も勉強が欠かせないのです。

専門医

子供 歯科治療

専門医となるための条件は以下の通りです。

  • 日本歯周病学会に5年以上継続して在籍
  • 認定医の資格を取得後、日本歯周病学会が認定する研修施設で2年以上専門的な歯周病治療の知識・技量を得る

これらの条件をクリアすることにより、受験資格を得られます。

認定医と同じく、資格を維持するためにはさまざまな努力が必要です。

  • 5年ごとの更新
  • 研修会出席50単位以上(5年間で)
  • 業績発表10単位以上(5年間で)
  • 初回更新までに歯周病学会学術大会のポスター作成
  • 認定医・専門医教育講演を5年間で2回以上受講

これらが達成できないと資格は取り消しになってしまいます。

指導医

その名の通り、歯周病認定医・歯周病専門医の指導ができる歯科医師です。専門医となってから7年以上の経験を積み、歯周病学会の所定の試験に合格して指導医になれます。

指導医は責任ある指導が求められ、地域医療・地域歯科医療・歯科医師会等などで指導的立場で歯周病学・歯周治療学の推進を行います。

資格を維持するために必要な条件は以下の通りです。

  • 5年ごとの更新
  • 研修会出席60単位以上(5年間で)
  • 業績発表20単位以上(5年間で)
  • 認定医・専門医教育講演を5年間で2回以上受講

平成30年の時点で、指導医は全国に300人ほどしかいません。

それだけ指導医になるのは難しく、患者さんの立場からみると安心して治療を任せられる歯科医師といえるでしょう。

歯周病専門医がいる歯科医院の見分け方は?

考える女性

先述の通り、歯周病専門医の数は多いとはいえません。では、歯周病専門医がいるかどうかどうやって見分けたらいいのでしょうか。

  • 日本歯周病学会の名簿で確認する
  • 歯科医院のホームページで確認する

これら2つの方法で確認できます。下記ではこれらの方法について解説していきます。

日本歯周病学会の名簿で確認する

日本歯周病学会の公式サイトでは、歯周病専門医の名簿を公開しています。

都道府県別に調べたり、認定医・専門医・指導医のジャンルごとに調べたりできます。

歯科医院のホームページで確認する

歯科医院のホームページから確認する方法もあります。トップページに「歯周病専門医在籍」などの表示がされている場合が多いです。

院長の紹介ページにも記載されている場合もあります。

歯周病専門医の治療を受けるメリットは?

問診

歯周病専門医の治療を受けるメリットは主に次の2つです

  • 一定期間の研修を受けており知識が豊富
  • 歯周病治療の実績が豊富

下記ではこれら2つのメリットについて解説していきます。

一定期間の研修を受けており知識が豊富
 

先述した通り、歯周病専門医の資格を得るためには一定期間の研修が必要です。そのため、歯周病に関する知識が豊富です。

歯周病は比較的新しい分野で、治療内容も複雑とされています。そのため、一般の歯科医師では適切な判断・治療ができない場合もあります。

その結果、抜歯する必要はないのに抜歯することになったなどのトラブルが起きる場合もあるでしょう。

歯周病治療の実績が豊富
 

歯周病治療は専門的な知識を求められるため、実績が豊富な医師の方が安心して治療を任せられます。歯周病専門医は知識だけでなく、実績も求められます。

研修なども行うため、歯周病治療に関する実績も豊富です。そのため、患者さんも安心して治療を任せられます。

歯周病の治療ではどのようなことが行われる?

カルテを書く手元

ここまで歯周病専門医について解説してきましたが、歯周病の治療はどのように行うのでしょうか。

  • 正しい歯磨き方法
  • 歯石の除去
  • 歯周外科手術

歯周病の治療として主にこれら3つが行われます。下記ではこれら3つの治療法についてみていきます。

正しい歯磨き方法

まず行われるのが、正しい歯磨きが行われているかのチェックです。歯磨きの仕方を間違えている場合、正しい歯磨き方法の指導が行われます。

歯周病の治療と歯磨きは関係ないのではと思われる方も多いでしょう。しかし、歯磨きも大事です。軽度の歯周病なら、歯磨きのみで治る場合もあります。

歯周病と診断された場合、現在の歯茎や歯槽骨の状態・歯周病を悪化させる要因があるかなどを調べ、どのように治療するかを決めるでしょう。

そのためには歯周病の原因となっているものを除去する必要があります。歯周病の原因となっているのは歯石です。

歯周病になると歯茎が炎症を起こすため、歯石を取り除くのも困難です。しかし歯磨きをすることで歯茎の炎症を抑えられ、引き締め効果も期待できます。

歯茎の中にたまった歯石も見やすくなるので、歯石除去もやりやすくなります。

歯石の除去

男性歯科医師

歯石の除去のことをプラークの除去と合わせて、「スケーリング」といいます。専用の器具を使って行います。

歯石はプラークが石灰化したもので、時間の経過とともに硬くなり、ブラッシングだけでは取れません。そのため、専用の器具を使って除去する必要があるのです。
スケーラーと呼ばれる器具を使って手で取り除く方法と、超音波を使った超音波スケーラーと呼ばれる機械を使った方法の2種類があります。

超音波スケーラーは短時間で効率よく歯石を除去できるため、歯石が大量に付着している場合に有効です。

歯並びの悪い部分・歯と歯の間・歯周ポケットが深くなっている部分などは歯石を取り残しやすいため、手で行うスケーラーと併用して行われます。

歯周外科手術

ブラッシングや歯石の除去を行っても、歯周ポケットが残っている場合は歯周外科手術を行う場合があります。

歯周ポケットは、プラークの細菌によって炎症を起こし深くなった溝のことです。歯と歯茎の間には歯肉溝と呼ばれる溝があります。

健康な状態のときはこの溝の深さは1〜2mmほどですが、プラークの細菌により炎症を起こすとその溝が深くなっていきます。

歯周ポケットが深いと歯ブラシの毛先が届かないため、再発する可能性が高いです。そのため、外科手術を行います。

歯を支える歯槽骨の形態を治したり歯周ポケットを減らしたりし、綺麗にしやすい環境を作ります。

歯周病で歯科医院を受診する目安は?

歯を磨く女性

歯周病が気になったら早めの受診がおすすめです。しかし、どのタイミングで受診したらいいのでしょうか。

  • 口臭が気になる
  • 歯茎が腫れる
  • 歯磨き時に出血がある
  • 歯茎が下がる
  • 歯がぐらぐらする

歯周病で歯科医院を受診する目安となるのは、これら5つの症状がでたときです。

下記ではこれら5つの症状についてみていきます。

口臭が気になる

口臭が気になるようになったら、歯周病を疑ってみましょう。ニンニク・ニラなどの臭いが強い物を食べた場合や、呼吸系・消化器系など全身の病気が原因となり口臭が発生する場合もあります。

しかしこれらに心当たりがない場合、原因は口腔内にあると考えられます。先ほど歯周ポケットについて説明しましたが、歯周ポケットは細菌の住処に最適な場所です。

さまざまな細菌が住みつくようになります。その中でも口臭の原因となるのが、嫌気性菌です。嫌気性菌は代謝の過程で、口臭の原因となる硫化水素やメチルメルカプタンを生み出します。

歯茎が頻繫に腫れる・歯茎から出血するなど、口臭以外にも気になる症状がある場合は歯周病の可能性が高いです。

歯茎が腫れる

歯茎の腫れは歯周病の典型的な症状の1つです。歯周ポケットの中に住みついた細菌が原因となり、歯茎に炎症が起こり腫れます。

歯磨きが適当だったときや、体調がよくないときなどに歯茎が腫れる場合があります。

歯磨きをしっかりと行えば細菌の量を減らせるため、歯茎の炎症も落ち着いていくでしょう。

体調の回復により免疫力が回復することでも、歯茎の腫れは落ち着いていきます。しかし、腫れが引いたからといって歯周病が完治したわけではありません。

そのまま放置すると歯茎の腫れが慢性化し、歯槽骨が徐々に溶けていく可能性も出てきます。

歯茎の腫れが落ち着いたからと放置せず、早めに歯科医院に相談することをおすすめします。

歯磨き時に出血がある

歯ブラシを持つ手元

歯磨きのとき、出血がある場合も注意が必要です。歯茎に炎症が起きると歯ブラシや食べ物のちょっとした刺激でも出血します。

たまに出血するだけだという方もいらっしゃるでしょう。それは単に、食物や歯ブラシが歯茎に当たっていないだけです。

もしくは喫煙などが理由で、出血しにくくなっているだけの可能性も考えられます。歯磨きのときに出血があることに気付いたら、歯周病を疑いましょう。

歯茎が下がる

歯茎が下がっている状態は、歯周病がかなり進行していると考えられます。

歯周病は症状によって次の4つの段階に分けられます。

  • 歯肉炎
  • 軽度歯周炎
  • 中等度歯周炎
  • 重度歯周炎

歯茎が下がりはじめるのは、重度歯周炎の状態です。

重度歯周炎になると歯槽骨が3分の2ほど溶け、歯がぐらぐらするようになります。膿も出てくるようになり、口臭も更にきつくなるでしょう。

歯茎が下がっていると感じたら、速やかに歯科医院を受診してください。

歯がぐらぐらする

中等度歯周炎の状態から、歯はぐらぐらするようになります。中等度歯周炎になると歯槽骨が半分程溶けている状態です。

歯槽骨は歯を支えている骨なので、歯槽骨が溶けだすと歯がぐらぐらします。重度歯周炎になると歯槽骨は3分の2程溶けている状態です。歯のぐらつきは更に大きくなります。

溶けてしまった歯槽骨を元に戻すためには、再生治療を受けるしかありません。

フラップ手術の後、歯石を取り除いて空いたスペースにメンブレンと呼ばれる特殊な膜を入れます。

メンブレンで骨や歯根膜が再生できるスペースを確保し、再生を促す手術です。フラップ手術は外科手術で、歯茎を切り開いて歯根にたまったプラーク・歯石・感染した歯肉組織を除去する手術になります。

このように歯がぐらぐらするまで放置すると、外科手術が必要になってきます。口臭がする・歯茎が腫れている・ブラッシングのときに出血があるなどの段階で早めに歯科医院を受診するのがおすすめです。

まとめ

歯科衛生士

歯周病は「サイレントキラー」と呼ばれています。初期症状がほとんどなく、気付いたらかなり進行していて重症化している場合が多いためです。

歯周病を放置すると、その菌が全身にまわり全身の健康にも害を及ぼす可能性も否定できません。

しかし歯周病は予防でき、治療もできます。そのための手助けをしてくれるのが、歯周病専門医です。

少しでも気になる症状がある方は、歯周病専門医のいる歯科医院に相談してみましょう。適切な治療計画を立ててくれ、予防法も指導してくれます。

参考文献

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