歯周病の原因となる菌についてご存知ですか?
本記事では、歯周病の原因菌について以下の点を中心にご紹介します!
- 歯周病菌のメカニズムについて
- 歯周病の予防法とは?
- 歯周病になってしまった時の対処法
歯周病の原因菌について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
歯周病のメカニズムと原因となる菌について
歯周病の原因となる、菌やメカニズムについて解説します。
歯周病のメカニズム
歯周病は、歯周組織を取り巻く細菌の増殖が原因となって発症します。
歯垢と歯石が溜まると、歯周ポケットと呼ばれる隙間が深くなり、ここにさらに歯垢と歯石が蓄積されます。歯垢中の細菌が繁殖すると、歯肉を刺激して炎症を引き起こします。これが歯肉炎と呼ばれる状態で、歯周病の初期段階にあたります。
歯肉炎が放置されると、細菌が歯周ポケットに侵入して、歯根を支える歯槽骨に炎症を引き起こします。この状態を歯周炎と呼び、歯周病の進行段階にあたります。歯周炎が進行すると、歯槽骨が破壊され、歯を支える組織が失われていきます。そして歯の揺れが大きくなり最終的には抜け落ちてしまいます。これが歯周病の最終段階である重度歯周病です。
歯周病原因菌の主な種類について
歯周病の原因菌は、主にプラーク内の細菌です。
歯周病原因菌には多くの菌種がありますが、歯周ポケット内で増殖するグラム陰性菌の一種であるPorphyromonas gingivalisや、Aggregatibacter actinomycetemcomitansが最も高い病原性を示しています。また、Prevotella intermediaやTannerella forsythia、Fusobacterium nucleatumなどの細菌も歯周病の原因とされています。
これらの菌は、歯垢や歯周ポケット内に定着し、細菌が産生する酸により炎症を引き起こして歯肉が腫れたり、出血したりします。
歯周病原因菌の感染経路
唾液:
歯周病菌は、感染者の唾液中に存在することがあります。唾液を介して、キスや共同生活などの日常的な接触によって感染することがあります。
感染者の口腔内からの飛沫:
歯科治療中に、感染者が咳やくしゃみをした場合に、飛沫に含まれる歯周病菌が周囲に飛び散って感染することがあります。
血液:
歯周病菌は、歯肉や歯周ポケットから出血することがあります。出血した血液に含まれる歯周病菌が、他の部位や他の人に感染することがあります。
汚染された物品:
歯ブラシや歯間ブラシなどの口腔衛生用具、食器やコップなどの共有する物品が、感染者の口腔内に触れることによって、歯周病菌が感染することがあります。
歯周病菌を減らす方法
歯磨きをしっかり行う:
歯周病菌は歯垢の中に存在し、歯垢があると繁殖します。毎日、朝晩の歯磨きをしっかり行うことで歯垢を除去できます。
デンタルフロスや歯間ブラシを使用する:
歯垢は歯と歯の間や歯と歯肉の隙間にも溜まります。デンタルフロスや歯間ブラシを使用することで、歯と歯の間の歯垢を取り除けます。
口腔内の清潔を保つ:
口腔内の清潔を保つことで、歯周病菌の繁殖を防げます。口の中をよくすすぎ、うがいすることで口腔内を清潔に保ちましょう。
正しい食生活:
砂糖や炭酸飲料、アルコールなどは歯周病菌の繁殖を促進します。食生活を見直し、バランスの良い食事を心がけましょう。
定期的な歯科検診:
歯科医院で定期的に歯のクリーニングやメンテナンスをすることで、歯周病菌の繁殖を防ぎ、歯周病の進行を防止できます。
歯周病の原因菌を予防する
自分でできる歯周病の原因菌予防法には、どんな方法があるのでしょうか?
セルフ歯周病予防チェック項目
歯肉の色:
健康な歯肉は淡いピンク色で、炎症を起こしていると赤みがかっていたり、腫れる場合があります。
歯肉の出血:
歯磨きや食事のときに、歯肉から出血する場合は、歯肉炎や歯周病の初期症状が生じている可能性があります。
歯周ポケット:
歯肉と歯の接合部にできる溝のことで、歯周病の進行度を示す指標のひとつです。歯周ポケットが深くなるほど、歯周病の進行が進んでいる可能性があります。
歯の動揺:
歯が少し動く場合は、歯周病の進行が進んでいる可能性があります。
口臭:
口臭がある場合は、歯周病の進行が進んでいる可能性があります。
歯周病菌を含むプラークが増えるのを防ぐ(プラークコントロール)
正しいブラッシングをする:
正しいブラッシングにより、歯に付着したプラークを取り除けます。適切な方法でブラッシングをし、口腔内を清潔に保ちましょう。
歯間部のクリーニングをする:
歯ブラシでは届かない歯と歯の間のプラークを取り除くために、歯間ブラシやフロスを利用しましょう。
正しい食生活を心がける:
偏った食生活や甘い飲み物の摂り過ぎは、歯周病菌の増殖を促進します。バランスの良い食生活を心がけ、歯に優しい食材を積極的に摂り入れましょう。
喫煙を控える:
喫煙は歯周病を引き起こすリスクを高めます。喫煙を控えることで、歯周病の発生を予防できます。
歯科医院で定期検診を受ける:
歯科医院での定期検診により、早期発見・治療が可能となります。定期的な歯科検診を受け、歯周病菌を含むプラークが増えるのを防ぎましょう。
歯周病菌をうつさないようにする工夫
- 歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロス、マウスウォッシュなど、個人用の歯磨きグッズを共有しない。
- 自分の口腔内で使用したグッズは、必ず洗浄してから保管する。
- 自分自身の口腔内の衛生管理を徹底し、歯周病菌の数を減らすことが重要である。
歯周病になってしまった場合の対処方法
歯周病になってしまった場合、自分で対処できるのでしょうか?
歯周病を自分で治す方法
歯周病は自分で完全に治すことは難しいため、歯科医師の治療が必要です。歯周病の初期段階であれば、自宅での適切な歯磨き、フロス、うがいなどの口腔ケアをすることで進行を抑えられますが、すでに進行している場合は歯科医師による治療が必要です。
治療方法には、歯石やプラークの除去、抗生物質や抗炎症薬の投与、外科的な手術などがあります。また、定期的なメンテナンスや口腔ケアの継続が重要です。
歯周病になってしまったと思う場合の対処方法
歯科医院を受診する:
歯周病は自分で治すことが難しく、進行すると歯を失うことにつながります。歯周病にかかったと思ったら、早めに歯科医院を受診し、歯科医による診断と治療を受けることが重要です。
歯磨きを徹底する:
歯周病はプラーク(歯垢)が原因であるため、歯磨きを徹底することが必要です。歯ブラシと歯間ブラシを使って、歯垢を取り除くことが大切です。
タバコをやめる:
タバコは歯周病を悪化させる原因のひとつです。歯周病にかかったと思ったら、タバコは完全にやめるようにしましょう。
健康的な食生活を心がける:
ビタミンCやDなどの栄養素を含む健康的な食事を心がけることで、歯周病の進行を遅らせられます。また、甘いものや飲み物は控えめにし、水分を多く摂取するようにしましょう。
ストレスを減らす:
ストレスは免疫力を下げるため、歯周病の原因となる菌に対する抵抗力を弱めることがあります。ストレスを減らすために、適度な運動やリラックスする時間を作ることが大切です。
以上が、歯周病になってしまったと思う場合の対処方法になります。しかし、歯周病は自分で治せる病気ではありませんので、早めに歯科医院を受診することが重要です。
歯周病原因菌の種類まとめ
ここまで歯周病の原因菌の種類についてお伝えしてきました。
歯周病の原因菌の要点をまとめると以下の通りです。
- 歯周病の原因菌のほとんどは、主にプラーク内の細菌である。
- 歯周病を予防するには、日頃の歯磨きや規則正しい生活が大切である。
- 他の人に歯周病菌をうつさないために、自分の使った口腔ケアグッズはしっかり管理することが大切である。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。