歯周病が悪化する原因をご存知でしょうか。この記事では以下の内容を中心に解説していきます。
- 歯周病の症状
- 歯周病の原因
- 歯周病が悪化する原因
歯周病が悪化した場合の症状についても紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
歯周病の症状
まずは歯周病の症状について解説していきます。
初期歯周病(歯肉炎、軽度歯周炎)
初期の歯周病は、歯茎の腫れや赤み、歯磨き時の出血などが主な症状として現れます。痛みがないため、気づきにくい病状ですが、これらの症状が見られた場合は早めの対処が必要です。
歯茎の腫れや赤みは、炎症が起きている証拠であり、出血は炎症によって歯茎が敏感になっている状態を示します。
中度歯周炎
中度の歯周病では、歯と歯茎の間の隙間(歯周ポケット)が深くなり、歯を支える骨の吸収が始まる状態です。
歯周ポケットの深さは4-6ミリ未満で、歯茎の赤みが増し、歯のグラつきを感じることもあります。この段階では、歯周病が進行するほど歯茎の色が悪くなり、赤黒くなったり紫色になったりすることもあります。
重度歯周炎
重度の歯周病では、歯周ポケットが6ミリ以上の深さになり、歯根の1/3~半分くらいの骨吸収が進行します。この結果、歯の動揺が大きくなり、口臭が強くなる傾向があります。
また、朝起きたときに口の中がネバつく感じがしたり、歯が長くなったように感じることもあります。
さらに進行すると、歯周ポケットから膿が出るようになり、歯が抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病の原因
歯周病の原因について、直接的な原因と間接的な原因について紹介していきます。
直接的な原因
歯周病の直接的な原因は、歯の表面に付着するプラーク(歯垢)です。プラークは口腔内の常在菌の宿主となり、磨き残しがあると急速に増殖します。このプラーク中に含まれる歯周病の原因菌が出す毒素によって、歯ぐきが炎症を起こし、それが歯周病の始まりとなります。
間接的な原因
歯周病の進行は、プラークの沈着だけでなく、他のさまざまな間接的因子によって進行しやすくなることがあります。これらの因子は「リスクファクター」と呼ばれます。
リスクファクターには、口腔内の環境の差や、生活習慣や持病などの全身的な要素が含まれます。例えば、口腔内が不衛生であったり、不適合な修復物や装置が入っている場合、また、歯並びが悪いなど、プラークが付きやすい状況は、歯周病の進行を促します。
また、睡眠不足やストレス、運動不足などの生活環境、持病で服用している薬、女性ホルモンのバランスの変化、喫煙習慣なども歯周病を悪化させる要因となります。
歯周病が悪化する原因
ここでは歯周病が悪化する原因について紹介していきます。
加齢
歯茎の免疫力自体が低下し、歯周病菌から歯茎を守ることが難しくなります。また、年齢を重ねると、歯茎がやせてきて歯垢が溜まりやすい形になります。
さらに、歯茎の細胞の老化も始まり、老化した歯茎は炎症により失われた組織の回復が困難になります。これらの要素が、歯周病の悪化を引き起こします。
喫煙
タバコは歯周病の進行を早めます。喫煙すると歯茎の血行が悪くなり、歯周病にかかりやすくなったり、進行を早めたりします。
タバコを吸っている方の歯周病の罹患は、10年後の口腔内状態にさせているとも言われています。
不規則な生活
不規則な生活習慣、特に夜更かしやバランスの悪い食生活は、歯周病の進行を手助けします。
ストレスを減らすことで免疫力が高まるので、適度なストレス解消法を見つけることが重要です。
間違ったブラッシングをしている
歯周病予防には正しいブラッシングを家で継続してすることが大切です。
適当に磨くことや、歯磨きをしないことは、歯周病を悪化させる可能性があります。
歯科医院での治療が不十分
歯科医院での診察や治療で、歯についた歯垢や歯石だけを診て、歯茎や歯を支える顎の骨の状態の把握ができていない場合、歯周病は悪化します。
歯周ポケットという歯茎の状態を知る検査や、レントゲンなどでの顎の骨の状態、歯の表面だけではなく歯の根についた歯垢・歯石を除去することが重要です。
歯周病が悪化する方の特徴
歯周病が悪化する方の特徴をご存知でしょうか。以下から解説していきます。
噛み合わせが悪い
噛み合わせが悪いと、歯が過度に動くことがあります。これは、歯周病を悪化させる要因となります。
また、噛み合わせが悪いと、食事中に歯が不適切に接触し、歯や歯茎に過度なストレスがかかることもあります。
これらの問題は、歯周病の進行を早め、悪化させる可能性があります。
歯のメンテナンス不足
定期的な歯科診察や歯のクリーニングを怠ると、歯周病のリスクが高まります。
歯科医師は、歯周病の初期段階を見つけ、適切な治療を提供することができます。しかし、定期的なメンテナンスがないと、歯周病は進行し、症状が悪化する可能性があります。
また、自宅での適切な歯磨きやフロス使用も、歯周病の予防と管理に不可欠です。
歯磨き不足
適切な歯磨きが行われていない場合、プラークと歯石が歯や歯茎に蓄積し、歯周病を引き起こします。特に、炎症が起こっている場合、歯磨きが痛みを伴う可能性があり、適切なブラッシングが困難になることがあります。
しかし、これによりプラークの蓄積が増え、歯周病がさらに悪化する可能性があります。このような場合、消毒効果のある口腔洗浄剤の使用など、他の清掃方法の併用を検討することが重要です。
歯周病が悪化した場合の症状
歯周病が悪化した場合にはどのような症状が現れるのでしょうか。
骨が溶けて歯が抜ける
歯周病が進行すると、歯を支えている顎の骨が徐々に溶けてきます。これは歯周病の症状が重くなるサインで、放置すると歯が揺れ始め、最終的には自然と抜け落ちてしまいます。この状態になると、他の歯も歯周病の進行が進んでおり、全体的な治療が必要になります。
顎の骨が溶けてなくなる前に、早めに歯科医院に相談することが重要です。
顎骨骨髄炎になる
歯周病が進行し、防御反応が限界を超えると、歯周病は骨髄炎に移行することがあります。これは「顎骨骨髄炎」と呼ばれ、歯の抜歯を行っても治らず、骨から膿が出てくることもあります。この状態になると、治療が難しくなり、完治までに数カ月以上の時間がかかることもあります。
歯周病の早期発見と適切な治療が、このような重篤な状態を防ぐためには必要です。
歯周病が悪化しないようにするためには
では、歯周病が悪化しないようにするためには何をすればいいのでしょうか。以下から解説していきます。
口内環境を良くする
歯周病の進行を防ぐためには、口内環境の改善が不可欠です。口内環境を良くするためには、毎食後のブラッシングが重要です。これにより、プラークを形成するスペースを作らせないことができます。
さらに、定期的に歯科医院でクリーニングを行い、歯石を除去することも大切です。自分では磨ききれない箇所や歯周ポケットに残ったプラークが歯石になり、歯周病が進行する可能性があるため、医師の手によるケアが必要です。
規則正しい生活を心がける
歯周病の進行は、生活習慣に大きく影響されます。喫煙、ストレス、不規則な食事、睡眠不足、肥満などは歯周病の進行を促進する要因となります。これらの要素を改善することで、歯周病の進行を防ぐことが可能です。特に、歯ぎしりは歯や歯を支える骨に強い力が加わり、炎症を悪化させることで歯周病の進行を加速させるおそれがあります。
また、不適合な義歯やクラウンはプラークがつきやすくなるため、これらの問題も早期に対処することが重要です。
まとめ
ここまで歯周病が悪化する原因について紹介してきました。内容をまとめると以下の通りです。
- 歯周病になると歯茎の腫れや歯の動揺が起こる
- 歯周病の主な原因は歯の表面のプラーク
- 加齢や不規則な生活が歯周病を悪化させる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。